大切なあなた (ページ23)

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彼女の悩み　悠仁side ページ23

気持ちが抑えきれず
彼女にキスをした。

お腹・・胸、首筋
唇・・

彼女がかわいすぎて
人妻だということもどこかに置いて
気持ちのままにキスしてた。

徐々に彼女の表情が悲しそうで
辛そうで・・俺も辛くなっていく。

熱くなってた気持ちも
いつのまにか冷めていて
彼女を泣かすだけ泣かせて
言葉を失った。

何してんだよ、俺。

彼女が好きなのはあいつなのに
そんなことわかってたはずなのに
もしかしたら振り向いてもらえるんじゃないかって少し期待してたのかもしれない。

会いたかった人に会えて
揺るがない気持ちがあるとしたら
彼女を好きという気持ちと
彼女の幸せを祈ってるということ。

なのに俺・・・

「私が・・悪いから、悠仁は悪くないよ」

「え？」

「・・・私が思わせぶりなんだよね、
ふたりのファンだから選べないの。
厚ちゃんのことはもちろん好きだけど
悠仁のことも大切だから・・

求めてくれたら嬉しいし・・
応えたくなっちゃうの」

「・・・」

「・・でもなんでかな、
いつも悠仁には甘えれるのに
厚ちゃんには気を遣って何も言えなくなる・・本当は甘えたいし、本音で話したいのに、喧嘩したくないし、嫌われたくないから」

彼女が悩んでることを聞けた。岩沢が悩んでることはこれなんだろうか。
「・・なんで向き合わないの？」

「え？」

「岩沢さんといつまでも真っ直ぐ向き合わないからだめなんじゃないの？
結婚したなら尚更、思ってる事はしっかり伝えなきゃうまくやっていけないと思うよ」

「・・うん、そう、だよね」

「満たされてないっていうのはきっと
言いたいことが言えてないからなんだよ。
身体も、心もあいつのとこにあるの今のでわかったから」

彼女が流されそうになるのは
心が不安定だから。
そんなことわかってたはずなのに。

「・・悠仁、いつも振り回してごめんね」

「謝るのは俺でしょ、ほら、ボタン止めて」
「うん・・」

「あ、ほら！片付け手伝うから！
ね？」

「・・・」

片付けを再開した。

気まずそうに彼女は俺を横目で気にしている。
「もぉーーなに？？そんな顔してたらまたキスするよ？」

「・・だめだよ」

彼女の顔を見てたら
手放したくなくなる。

ぶーぶー・・

「「！」」

彼女の携帯がなって
2人体をびくつかせた。