信じる心 厚治side ページ3
明後日は木曜日。
気にしないようにすると
余計に気になってしまう。
いつだったか
あいつが彼女にキスをした事を
ふと思い出した。
もしかしたらそれ以上の事を
されるかもしれない。
ギターを悠仁と合わせながら
ライブにはこの弾き方の方が
いいんじゃないか、と
色々考えて頭をいっぱいにしようとしていた。
なのに
頭の片隅で淫らな想像がちらつく。
見たわけでもなければ
やらしいことをすると
決まったわけでもない。
なのに、俺は・・
いつからこんなに
独占欲が強くなったのだろうか。
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「おかえりー！」
「ただいま」
「今日は早かったね、嬉しい」
仕事を終えて帰ると
彼女が晩御飯を作ってくれていた。
家に帰ると彼女がいる。
それだけで幸せなことなのに・・・。
「厚治？ごはん、出来たよ？」
ゲームに没頭する俺に
いつもどおり接する彼女を見ていて、
信じられなくなってる自分が
嫌になる。
そうだよな・・
あいつとどうこうなんて・・
そんなことないよな。と
自分に言い聞かせた。
「わ、うまそうだな」
今夜はシチューのようだ。
「へへ。どうかなー？
今夜は冷えるから体あっためなきゃね」
もう考えないようにしよう・・。
彼女が幸せそうに笑っているのに
こんな顔してたらだめだよな。
「・・厚治？どうしたの？
さっきから百面相。ふふ・・」
「・・や、なんでもない。
よし、じゃ食べようか」
「あ、うん。かんぱーい」
俺の顔を覗き込みながら
くすくす笑っている彼女が
かわいくて。愛しくて。
この空間を大切にしよう。
今はただ彼女を信じればいいんだ。
「やっぱりAの作った飯は
どれも美味いよ」
「もぉ・・
そんな褒めても何も出ないよ？
ふふ・・ありがと」
「おかわりもらえる？」
「うん！入れてくるね」
・・そうだよ。
あいつのじゃない。
俺の彼女なんだ。
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作者名：miu | 作成日時：2019年11月4日 14時
