大切なあなた (ページ16)

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報告　悠仁side ページ16

彼女と連絡を取らず1ヶ月が経とうとしていた。

ライブやアルバム作成にバタバタしていたが
いつも頭のどこかに彼女が存在していた。

どうしてるかな、元気かな。

そんないつもと変わらない日のことだった。

「悠仁、あのさ、
俺たち籍入れようと思う」

え・・・

「誰と？」

分かりきった答えが返ってくるのをわかってて
質問していた。

「Aだよ」

そりゃそうだよな。

「そうなんだね、よかったじゃん。
で、いつ籍入れるの？」

「今週の日曜・・11月22日」

「へぇ〜・・・」

こういう時なんて言えばいいんだろう。

「おめでと」

岩沢をハグしながら
悔しさと寂しさと入り混じったなんとも
複雑な感情に押しつぶされそうだった。

だめだ、笑えない。

祝福したい気持ちはもちろんあるのに、
それなのに・・。

「お祝い！お祝いしようよ、
式は？？」

「あぁ、式はまだ決めてないんだけど
親戚集めて内内でしようかなって。
彼女一般人な訳だし」

「そうだよね・・・
俺は別でまたお祝いしにいくよ！
岩沢さんちいけば彼女にも会えるでしょ？」

「さんきゅ」

彼女に会いたい気持ちダダ漏れの俺の発言にも
岩沢は機嫌悪くなるわけでもなく
ただ優しく笑っていた。

そうか、そりゃそうだよな。

奥さんになるわけだもんな。

俺の・・じゃなくて岩沢さんの、ね。