大切なあなた (ページ2)

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カウントダウン悠仁side ページ2

あと2日・・。

もうすぐ彼女に会える。

誕生日の出来事を思い出しては
胸が熱くなった。

手を出しちゃいけないって分かってるのに

どうしてこんなにも
彼女に惹かれていくのか。

彼女を見ていると
全てが愛しく感じるのだ。

あの日
痛いくらい分かってしまった。

すごく好きなのだと。

でも・・

--悠仁さんとはもう・・

俺とはもう・・会わないって
言いたかったんだろうか。

彼女が呟いた言葉が
心のどこかで引っかかったままだ。

ガチャ・・

コーヒーを飲み終え
スタジオに入ると岩沢がいつもと
違うギターを抱えてチューニングしていた。

「あ、いわさーさん
そういや相棒はどう？
直りそう？」

「やーそれが
あと2、3日はかかるらしいわ。
だから今日からまた黒だわ」

「そっか。
早く直るといいね」

「んーまぁこれでなんとかするかな」

「そっかぁ。練習はそれでも出来るしね」

俺の言葉に少し頷くと
「昨日最後にやってたあの曲、
出だしもっかい合わさせて」

と真剣な表情で俺を見ていた。

「うん。ちょっと待って
まだカポ付けてないから」

そうだよな・・

今は彼女のことじゃなくて
しっかり練習して
いいライブにしなきゃな。

「さっきのこっちの方がよくねーか？」

「あ、ごめん、もっかいやってみて」

いつになく
真剣な岩沢に
置いてかれてる気がした。

俺ばっかり

焦ってるみたいで
自分が子供のように感じる。

あと一ヶ月で
ライブだよ、ライブ！！

自分自身に
そう言い聞かせて
気持ちを奮い立たせていた。