彼の気持ち

なんで？ ページ49

悠仁に
"付き合ってるんでしょ？"と言われた時

私、果たして、
本当に付き合ってるのかなって
一瞬考えてしまった。


私の妄想なんじゃないのかな。

そう思った瞬間

・・"結婚を前提に"・・と言った

彼の言葉が脳裏に浮かんだ。




"2人だけの秘密にしよう"


そうだよ・・ね、
私の妄想じゃないんだよね？



"これは2人だけの・・"



「まさか・・」

悠仁には悪いけど

私は嘘をついた。


私たちは付き合ってる、
付き合ってるんだよ・・



でもこの事は悠仁には
話せないの。


そして、この状態は
厚ちゃんには話せないから・・。


そうだよ、
私なんか・・。



ただ彼の負担になるなら・・
このまま離れた方が・・。



ここ最近、情緒不安定になっている。




会いたくて、会いたくて。


でも

会えない、会ってはいけない。



その葛藤で思考回路が追いつかない。


なのに・・




「・・何言ってんの」



私がずっと会いたかった人の声が
ぼぉっとする頭の中に響いた。


「え、な、んで？」

なんで？

なんで、厚ちゃんがここを・・

慌てる私を見て
「・・ごめん、俺が教えたんだ」
と呟いた。


「え、なんで・・」

「ごめんね。
だけど岩沢さんには教えるべきだと思って。


・・Aちゃん、
元気になったら教えてね？」

そう言うと

厚ちゃんに「じゃ、俺は帰るわ」
そう言うと病室から出て行ってしまった。


えぇ・・

どうしよう・・。


いつのまにか

厚ちゃんと私だけになっていて

重たい空気が漂っていた。

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