彼の気持ち

久しぶりの連絡 ページ31

あれから風邪はなかなか治らず
迷惑かけたくなくて
連絡を取らないようにしていた。

----会えるようになったら
連絡してほしい。

最後のメールを見る度
胸が苦しくなる。


こんなにも会いたいのに・・
なんでなかなか治らないんだろう。


一瞬、悠仁が浮かんだ。

私が彼以外の男性を
部屋に入れてしまったから・・？

だからなの？

でもあれは・・・



そう思った時だ。


〜♪〜♪

持っていた携帯が震えてびっくりした。



知らない番号・・。


考えていると電話は切れて
シークレットメールが届いた。


厚ちゃん？！

そう思って開くと

さっきの電話北川です！
と一文だけ。

そのメールを開くと
またすぐにその番号から電話がかかってきた。


・・・どうしよ。
緊張する。


ドキドキしながら電話の通話ボタンを
押した。


「・・もしもし」

---あ！もしもしー！

私の声の後には優しく明るい声が響いた。


「こんばんは・・、どうしたんですか」

私がそう言うと
何かを感じたのか少し沈黙があって
ひそひそ話しをするかのように
ささやく。

---もしかして、
今・・岩沢さんと一緒？

「え、違いますよ

なんでですか」


私と厚ちゃんの秘密なのに

彼はどこまで知っているんだろう。

布団の匂いでやっぱり察したんだろうか・・



------はぁ、それならいいんだ。
あのさ、美味しい桃もらったんだけど
こないだのお返しにと思って。

そう言って私が返事する前に
ピンポーンとインターホンが鳴った。

「え・・」

ドキッとして

内心厚ちゃんじゃないかって
思ったが


インターホンの画面には

手を振る

・・悠仁が立っていたのだ。

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