彼の気持ち

ダウン ページ26

顔色は良くなってたけど・・

ちゃんと帰れたかな・・。

心配でメールを送ろうかと思ったけど

いつのまにかベッドで寝てしまっていた。


そして



・・



「ケホ・・ケホ・・」



うそ・・。

朝起きると体がだるくて
咳も出る事に違和感を覚えた。


風邪ひいちゃったのかな・・。


薄着で
しかも布団も被らず寝てしまっていた事、

それにもしかしたら
風邪をもらっちゃったかも・・なんて。

いやいや、悠仁のじゃないない。

服を着替え
自宅を出た。

「ケホ・・ケホ・・」

だめだ・・なんか本当にしんどいな・・。


職場に着き
机で項垂れていると
園子が明るく話しかけてきた。

「おっはよー！寝不足〜？
今日行こうと思ってた居酒屋だけど・・」


あ。そうだった。
園子と約束してたんだった。

厚ちゃんとも約束しちゃってるし・・

あぁ・・やっちゃってるじゃん、私・・。

「ごめん、園子。ケホ・・
今日体調悪くて、また来週でもいい？」

私が咳をしながら言ったからか
「大丈夫？
まぁ、飲みに行くのはいつでもいいけど・・

あんまりしんどいなら
早く帰らせてもらいなよ」
いつもより園子は優しい。

「ありがとう。ごめんね」

「も〜いいってば・・」

そう言うと肩を落として
パソコンに向き合っている。

はぁ・・私、最悪じゃん・・。

厚ちゃんにも伝えないと・・。


夕方までなんとか仕事をして
園子に心配されながらもひとりで
ちゃんと家に帰ってこれた。


はぁ・・疲れた〜・・。

厚ちゃんに連絡も入れたし・・

今日は早めに寝よう・・。


シャワーを浴びて、
今日は自分の為にお粥を作った。

はぁ・・
何やってんだろ、私。


厚ちゃんに会いたかったのに・・

なんで今日なんだろう・・。

お粥を食べながら
何の涙かわからないものが流れていることに
気がついた。



何故か無性に寂しくて・・




声が聞きたい。

彼に触れたい。

顔が見たい・・。




その時だった。



ピンポーン・・


インターホンの画面に
彼が映っていて

あまりの驚きで
頭が真っ白になったのだった。

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