君と私のこと。 (ページ35)

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彼女とジュノチャンソンside ページ35

彼女が悩んでることなんてわかっていた。

ジュノのひとつひとつに
振り回されてることなんてわかってたんだ。

ジュノからもらったタオルを
大切そうにいつも持ち歩いてるのも知ってる。

ジュノが名札を渡しに行った時だって
目をキラキラさせて
ジュノを見つめていたことだって

俺との約束を守れないくらい
ジュノを想っていることなんて

もう全部わかってたんだ。

はじめから・・
ふたりは両思いってことくらい・・

だけどね？
彼女はおまえに傷つけられてるんだ。

その何気ない一言が、
彼女をどうしようもないくらい悲しませるんだ。

それは許せない。

彼女を苦しませるなら
優しくするのもおかしい。

「「Aのことなんて一ミリも考えてねぇって」」

みんながいることを忘れてか
ジュノは大きな声でそう言い放った。

彼女の耳にも聞こえているはずだ。

彼女は一瞬あいつをみると
ぱっと目を逸らした。

もうジュノのことで悩むなよ・・

俺の本心だ。

そんなに悩んでほしくないんだ。

傷ついてほしくないんだ、
あんな一言一言に。

俺は彼女に俺のあとをついてくるように伝え
ジュノの元へ向かった。

案の定ジュノはうろたえている。

自分が蒔いた種だろ。

彼女を
欲しいのか欲しくないのか
はっきりしろよ。

「ちが、誤解だよ」

「そう、ごーかーい！
ジュノはね、Aのことばっか考えてんだよ？
Aさん、なんか言ってやってよ」

「ちょ！ヒョンは余計なこと言うなって！」
テギョンが入ってきて余計にややこしい

「・・私のこと考えてくれてたの？」

「・・あーー
んーまぁ・・そんな時もある」
恥ずかしそうに顔を手で覆うと
耳まで真っ赤にしてこたえる。

「なんだよそれ・・」

俺がそういうと同時に
彼女がくすくす笑いだした。

「ふふ・・なにそれ、
ほんと、よくわかんない」

そう言いながらも
嬉しそうに笑っている。

ほら、
さっきまでへこんでた彼女が笑っている。

彼女はいつだって
ジュノの一言一言にオドらされてるんだ。

俺にはできなくて、
おまえにしかできないことが
こんなにもあるんだよ。

俺に勝ち目がないことなんて
解りきっているんだ。