BARでのお酒 ミンジュンside ページ30
「今日は・・
なんていうか大変だったね」
「はい・・」
お気に入りのBARへ彼女を連れてきた。
「Aちゃんって、ほんとモテるよね」
俺がそういうと首を振っている。
「そんな事ないです、
ほんとに」
「やーみんなに好かれてるよ」
--俺にも…と言いかけた。
「でも・・」
？
「好きになってもらいたい人には
振り向いてもらえないんですよね」
「・・・」
--ジュノのことか。
「私…ジュ」
「あ、ちょっとまって」
「え？」
「すぐ戻るから」
電話がかかってきたふりをして外に出た俺。
電話なんてかかってきてない。
だって今、彼女はたぶん
ジュノを好きだって言おうとしたから。
ソレを聞いた時
どんな言葉をかけたらいいのだろう。
あぁ、だめだ。
話をきくって言ったのは俺じゃないか・・
しかたがない。
今は優しいオッパでいなきゃ・・
カランカラン
戻ると彼女は俺がいない間に
次々とボトルをあけていた。
こんな短時間で？？！
「えっちょ、Aちゃん？！」
「んー？」
彼女は虚ろな目をして俺を見つめていた。
「飲み過ぎてるよ」
「私を置いていなくなるからだよぉ・・」
いつもの口調ではない。
「マスターお水もらっていい？」
このままじゃまずい。
「ねぇ、ミンジュンさん？」
「ん？」
「ミンジュンさんは、
私のこと・・どう思う？」
「え？！や、どうって・・
性格もいいし気がきくし・・」
「ちがぁう」
「え？」
「女としてだよ」
彼女が俺を見つめて問う。
拷問だ。
黙っていると彼女はふっと口元を緩めた。
「ないか、ないよね
私なんて・・」
彼女はまたお酒を口にする。
「あ、あるよ。
Aちゃんは女性として
素敵だと思うよ。
ダンスしててもそう思った」
「ダンス・・か」
「うん、ダンスしてる時のAちゃんは
また違う女性なかんじで・・」
「女として・・見れる？
ミンジュンさんはそういうふうに
見たときあったの？
ダンスしてたとき・・」
--俺はいつだって女としてしか見れない。
「あるよ」
俺の目を驚いた瞳で見つめた後目線を逸らした。
「そっか・・
だからチャンソンは私を好きなのかな・・」
ぼそっと呟くと
「帰る！」と急に席を立った。
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作者名：miu | 作成日時：2014年5月2日 16時
