痛いのは最初だけ４【佐野玲於】 (ページ10)

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ジュウページ10

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玲於『好きだよ、A。』

。。。頭の中で何回もリピートする。

私の心臓は絶対止まってる。

玲於くんからこんな言葉聞けただけで、思い残すことなんて何にもない。

今はきっと天国に居るはず。

生きてる内に一番言われたいことを一番言ってほしい人に言われた私は世界一幸せ。

嬉しいよ。。。

でも欲張りになった私は素直に喜べない。。

だってそれ、、お兄ちゃんとして言ってくれてるんでしょ。

ちゃんと知ってるんだから。もう勘違いなんてしないよ？... 学んだの。すごい？

玲於『A...。俺さ、さっきからお兄ちゃんとしてなんて言ってない。』

、、、私、耳もね今日はおかしいみたい。

違う。おかしいのは玲於くんだ。。。

それに、、言う相手、間違ってるよ。

玲於『ちゃんとAに言ってる。間違ってないから。』

え？ ...？！私に？、、、私に言ってる？間違ってないの？

あれ？それはつまり、、どーいうこと？

玲於『お前の傍に居たかったからお兄ちゃんでいただけ。けどもう限界、、
...お兄ちゃんにはなれないってそういう意味。』

は？、、、

...玲於くんが私を好き？お兄ちゃんとしてじゃなく？

これって、、、現実？

ううん、夢ですね。

私単純だけど騙されないよ、、そんなことありえないもん。。。

なのに心拍数は上がるばっかりで、、

頭が追いつかなくて目がグルグルして意識が飛んだみたい。

口を閉じることも、瞬きも忘れて、このまま呼吸の仕方も忘れそう。。

HPはとっくに0を振りきってたけど

玲於くんに頬っぺたつねられてやっと生きた心地がした。

ほっぺ痛い、、

...痛い？

痛いってことは夢じゃない？！

思わず玲於くんを凝視する。

、、、痛いって辛いことしかないと思ってたけど、でもこんな幸せな痛いってあるんだね。

夢じゃない！玲於くんが私を好き。。

私もずっとずっと好きだったよ！！

必死に玲於くんに気持ちを伝えた。たぶんこんな言葉だけじゃ伝えきれない。

溢れて溢れて止まらなくて、溢れすぎた分は目からこぼれる。

今までとは違う、温かい嬉し涙。。。

涙が流れる頬にさっきの手より柔らかい唇の感触がして

懐かしさと嬉しさとわけわからないドキドキで爆発しちゃいそう。

涙は自分じゃ止められそうにないけど、玲於くんが泣き止む魔法をかけてくれる。

玲於くんしか使えない私だけに効く魔法。