痛いのは最初だけ３【佐野玲於】 (ページ48)

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玲於『何か食って帰る？』

A『うん。、、いいの？』

やっぱり少しでも一緒に居たい私に断る理由なんてない。

玲於『ん。何食いたい？』

A『お肉！』

玲於『言うと思ったわ(笑)』

お腹が鳴ったおかげ？でちょっと和んだ空気。
今は辛いこと全部忘れたふりして喜ぶの。

話しながらあっという間に着いてしまった最寄り駅の改札を抜ける。

手はポケットから出されたけど、まだ繋いだまま。

ポケットの中にあるより視界に入るからまたドキドキ。。。

『、、、A？』

その時後ろから名前呼ばれて...玲於くんと二人、何も考えずに振り返った。

A『お、、お父さん？！』

お父さん『玲於？...何を、、してるんだ？
、、それはどういうことか説明しなさい。』

玲於くんと繋いだ手見てそう言った。

どうしようどうしようどうしよう。。。

あんなに離したくなかった手を咄嗟に離した...

何でお父さんが居るの？

戸惑ってる私にお構い無しで玲於くんはこんばんは。なんて呑気に何にも焦ってない。

そっか、、焦ってるのは私が玲於くんを意識しすぎてるせいだ。

普通に従兄妹でも手くらい繋ぐでしょ、、、

...いや、、繋がない？

もう頭がパニック。。

玲於『手繋ぐくらい昔っからじゃん。父ちゃん気にし、』

お父さん『、、、玲於。言い付け忘れたわけじゃないよな？』

玲於『それは、、わかってる。わかってるよ。』

お父さん『、、A。』

A『は、はいっ。』

お父さん『...今すぐ家に帰って来なさい。』

A『え？今すぐって...何で急に、、』

お父さん『仕事も落ち着いてきたし、そろそろ連絡しようと思ってたからちょうどいい。何より玲於に迷惑かけっぱなしだしな。。荷物は明日昼間に取りに行かせてもらいなさい。』

玲於『いや、でも...』

お父さん『玲於、、面倒かけたな。また後日お礼に行かせてもらうよ。』

A『待って。お父さん、、、』

手を繋いだせい？ ...それってそんなに許されないこと？

お父さん『A、話しがある。とりあえず家に帰るぞ。』

A『嫌だ。。 ...玲於くん。』

すがるように名前を呼んで玲於くんを求めた。

わかってる。。。ちゃんと帰る覚悟はしてる。

でもこれじゃ玲於くんの傍には永遠に居られなくなるみたい、、

...引き止めてほしいよ。

お願いだから、、今だけは。