痛いのは最初だけ３【佐野玲於】 (ページ35)

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外の風は思ったより冷たくて、今の私には頭を冷やすのにちょうどいい。

玲於くんに勝手に期待してはまた泣いて。

亜嵐くんにも辛い顔させて。。

ため息ついたら亜嵐くんが顔を覗き込んできた。

亜嵐『...いじわる言っていい？』

A『え？何、、、』

亜嵐『いや、玲於にさ。いじわる言っていい？』

A『、、それ私に許可取らなくても、』

亜嵐『Aちゃんも嫌がるだろーなって思って。』

A『私が嫌がるの？、、、そんなこと、、』

ないよ。。

じゃ電話するね。って駅に向かう道、玲於くんに電話架け始めた。

亜嵐 [...もしもし玲於？]

私にも聞こえるように近づけてくれるその電話、耳を寄せて玲於くんの声に神経を集中させる。

玲於 [Aは？ A一緒なんでしょ？]

焦ったようなすごく怒ってるような、そんな声。

玲於くん、、、まだ門限まで時間はたくさんあるよ、、？

亜嵐 [一緒だよ。ね？Aちゃん。]

ってこっちにも話しを振ってくる。

突然だったからコクンて頷くことしか出来ない。

玲於 [...代わって。電話、Aに。]

私に？自然に亜嵐くんの携帯に手を伸ばそうとしたけど、、、

亜嵐 [、、嫌だって言ったら？]

亜嵐くんは代わる気ないみたい。。手を伸ばした瞬間、ちょっと電話を離された。

玲於 [ちゃんと...俺ん家に送ってって言ったじゃん。 ...今どこに居んの？]

亜嵐 [玲於ん家とは言われてない。だから俺ん家。
...でももう玲於ん家には帰りたくないって。だから今からAちゃん家に送る。]

え？って見た亜嵐くんと目が合ったら苦笑いされた。

、、、いじわるってこれ？

でもそうだよね。。。もう玲於くん家に帰れることもないもんね。

電話の向こうの玲於くん急に無言になって、電話切れちゃったのかと思うほど静かな時間が数秒流れる。

玲於 [...すぐ行く。]

そう言って今度こそ切れた電話。

亜嵐くん俺絶対ぶっ飛ばされるなって呟いて。

A『何で...玲於くんわざわざ来るんだろう。。』

亜嵐『、、わかんない？』

A『だってまだ門限じゃないし。 ...亜嵐くんはわかるの？』

亜嵐『ははは(笑) 本当にAちゃんて鈍感。でも教えてあげない。俺今すげー意地悪だから。』

。。。作れなかった肉じゃがも、断ち切れない玲於くんへの気持ちも中途半端で。どんな顔して玲於くんに会えばいいんだろ。。

でも、、