痛いのは最初だけ３【佐野玲於】 (ページ33)

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亜嵐『、、Aちゃんさ、俺もAちゃんが好きだって言ってるよね？...』

スマホを取り返そうと伸ばした手は空振りして、逆にソファーに押し倒される。

A『きゃっ！、、ちょっと、亜嵐くん、』

私を見下ろす目はいつもの亜嵐くんじゃないみたい...

亜嵐『危機感ない？ ...俺ん家に二人きりってわかってる？俺しか見えないように、、無理矢理わからせてあげようか。』

A『何、、言ってるの？...』

こんなの、、亜嵐くんじゃない。

怖いよ...溢れる涙で亜嵐くんの顔がだんだん滲んでく。

A『亜嵐、、くん、やめて。亜嵐くんはいつも優しくて、、絶対こんなことしない。』

亜嵐『、、こんなことって？ ...例えばこういうこと？』

A『んっ、、、ぃや、亜嵐くん！』

拘束されたままの両手首。

咄嗟に背けた顔、露になった首筋に亜嵐くんの唇が当たる。

降りてきた唇は鎖骨らへんに止まって、軽い痛みで赤く染まる跡を付ける。

ほどこうとしても動かせない手とよじっても抜け出せない体。

"それ逆に誘ってるの？" って...

亜嵐『...俺の優しさなんて上辺だけ。 Aちゃんを自分のものにする為に偽るの苦労したんだけど。』

A『、、、嘘つき。』

亜嵐『うん...これが本性。』

A『嘘つき！、、、じゃあなんで今亜嵐くんはそんなに泣きそうなの？...』

私なんかよりずっとずっと辛い顔して、、無理矢理襲おうとしてる人がそんな顔するわけない。

A『...ごめんなさい。』

そんな顔させて、嘘までつかせて、、、

亜嵐『、、、何でだよ。。何でAちゃんが謝るの。こんな嫌な思いさせてんだよ？、、もっと憎んでくれなきゃ、俺、、』

A『私ね、、、亜嵐くんの優しさに何回もすごく救われたの、、
亜嵐くんのことすごく大切な人だって思ってるよ。だからこれからもずっと嫌いになんてならない。』

亜嵐『、、Aちゃんずるいよ...大嫌いって言われるよりキツイ。』

悲しい笑顔をした亜嵐くん、ゆっくり体を起こしてくれて私から離れた。

亜嵐『ごめんね、怖い思いさせて、、、って、ソレも。本当にごめん。』

鎖骨についた跡を見つめて、その後も何度も謝ってくる。

洋服の襟を伸ばして赤い跡を隠した。。

A『亜嵐、くん、、』

亜嵐『もう怯えなくても何もしないから安心して。...これ以上は俺が抑えらんない。』