痛いのは最初だけ３【佐野玲於】 (ページ31)

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こんな状況なのに、、私のお腹がグゥって鳴っちゃって。。。一気に張りつめた空気が緩くなる。

急いでお腹押さえるけど絶対聞こえたよね？、、

うわぁ...恥ずかしすぎて自分の食欲が憎い。

亜嵐『あはは(笑) いい音鳴ったねぇ。』

A『！！あ、あの、今のは聞かなかったことに。。やっぱり帰らなきゃ、、、』

亜嵐『泣いたらお腹すいたでしょ(笑) じゃあさ、これ作ろう。夕飯食べたらAちゃん家に送るから。ね？』

ずっと持ってくれてたスーパーの袋、もう作ってあげるはずだった相手を失ってただの荷物。。。

結局...

なかなか玄関から先に進めなかったけど、亜嵐くんが洗面台こっちねって案内してくれて

A『お、お邪魔します、、』

亜嵐『はーい、お邪魔されまーす。』

男の人の家に上がるなんて、、、それに玲於くんと全然違う亜嵐くんの匂いがする。。

部屋はとても整頓されててキレイ。

キョロキョロしてたら声かけてくれて、手洗ってリビングに行くと温かいココア出してくれた。

A『ありがとう。。。』

甘いココアが喉を通ってすごく温かい...

遠めに腰掛けた亜嵐くんはココアって落ち着くよねって笑ってみせて、やっぱり優しい。

何か今までも二人きりなんて何度かあるのに、静かな部屋でしかも亜嵐くんの家に二人きりなんて...

自然に背筋が伸びる。。

亜嵐『ねぇ...どっちにする？』

A『え、どっち、、って？』

急に何のこと？

玲於くんと亜嵐くん、どっちにする？って意味？、、、

亜嵐『カレーと肉じゃがどっち作る？それとも両方作る？合わなそうだけど(笑)』

あぁ、、、そうだよね。夕飯のことか。。私頭がおかしくなってる。

A『えっと、、亜嵐くんどっち食べたい？どっちも作ろうか？』

亜嵐『え、マジで？ Aちゃんが作ってくれんの？』

シワが寄った嬉しそうな笑顔、つられて口角が上がる。

絶対肉じゃががいいって言うからキッチンを借りた。

ズルイけど、今は何も考えないことにしたの。

何かしてないとまた涙が流れそうだから、今すごく亜嵐くんに救われてる。

亜嵐『何か手伝おうか？』

腕まくりしてキッチンに来てくれて、玲於くんならまだ？とか言って手伝うなんて言わないのにってまた玲於くんのこと考えちゃって。。

ブンブン頭振って一瞬手元から目を離したら

亜嵐『あっ、Aちゃん、危なっ、』

あ...