痛いのは最初だけ３【佐野玲於】 (ページ27)

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その日の帰り道、変わらず隣りには亜嵐くん。

亜嵐『Aちゃん元気ないね。何かあった？』

...やっぱり亜嵐くんはエスパーなのかな。

そんなことないよって言ったんだけど、、

亜嵐『あ、鼻触った(笑) ...もしかして玲於のこと？ほら、亜嵐兄ちゃんに話してみて。』

亜嵐兄ちゃん。。。この響きはまだ慣れない感じだけど。

A『...う～ん。今週で家出が終わるの。。』

亜嵐『そっか、、離れたくなくて悩んでる？』

A『..わからなくて。離れたくないような、離れたほうがいいような。。』

そんな話しをしてたら亜嵐くんのスマホが鳴る。
表示された名前を見て、一瞬怪訝そうな顔をして出るのを躊躇ってるみたい。

A『亜嵐くん？出ないの？』

亜嵐『あぁ。ん、、、ちょっとごめん。』

気まずそうに電話に出る亜嵐くんが口にした名前に一瞬足が止まる。

亜嵐 [もしもしエリカちゃん？]

エリカちゃんてあのエリカちゃんだよね？、、、

亜嵐 [。。え、隼？あぁ。うん、そうだけど。 ...わかった。急ぎ？じゃあすぐ送るよ。]

隼くん？

知り合い？エリカちゃんもしかして隼くんを好きなの？

...だから玲於くん苦しんでる？好きな人が自分の友達を好きだから？

電話切ってからもスマホいじってる亜嵐くん。さっきの会話、どんな話しだったかわからないけど胸騒ぎがする。。

亜嵐『...Aちゃんごめんね、電話。』

A『、、ううん。全然。』

気にならないって言ったら嘘になるけど。。。

亜嵐『あ、今日も夕飯の買い物行くでしょ？俺も今日は自炊しよーかな。』

亜嵐くんは私から目も話しも反らした。

最寄り駅に着いて近くのスーパーでお買い物。最近は亜嵐くんと来る方が多くなってきたくらい。

亜嵐『Aちゃん夕飯何する？』

A『どうしよーかなぁ。亜嵐くんは？』

亜嵐『んー。作れるのはカレーくらいかな(笑)』

A『あ、じゃあ私は肉じゃがにする。材料ほとんどカレーと同じ♪』

亜嵐『うわ～いいねぇ。じゃ材料探しまーす！』

A『はーい！』

こっちに人参ありました！とか、こっちは玉ねぎ発見！とか、さっきのモヤモヤもあるけど今は二人で買い物も楽しいって思えてる。

いつも"いいよ"って軽々荷物まで持ってくれるの。

一緒に夕飯の買い物行って、一緒に帰って、こんな当たり前じゃない日常に違和感を覚えなくなってきてる。。。