いち ページ1
★
いつも眠くなっちゃう学科の授業。ポッケに入れてたスマホが震える。
亜嵐くんかな？ってこっそり確認したら
佐野玲於 [やべっ、夕飯のお金渡すの忘れた。]
まさかの表示された名前に一気に目が覚める！
だってLINEくれたってことは今私のこと考えてたってことでしょ？
内容なんてどんなでもいい。近くに居なくても玲於くんと今繋がってるってことが嬉しい。
A [大丈夫。私もお金持ってる。]
玲於 [今授業中だろ？スマホいじってんじゃないよ。]
A [玲於くんこそ！大学生のくせに勉強ちゃんとしなよ。]
コンスタントに返ってくる返事が嬉しくて、震えたらすぐ開いて返信する。授業中なのに授業になんて全然集中出来ない。
１人でソワソワ
速攻既読つけちゃう。
玲於 [そんなこと言ってくれるのエリカちゃんだけだよ。]
開いた画面
え？、、、エリカちゃん？
どういう話しの流れ？
読み返しても意味がわからない。
画面見て固まってたら、すぐ削除されて新しいメッセージ。
玲於 [お前こそちゃんと授業聞け。約束忘れたの？]
あぁ、、、
誤配信ですか。。
エリカちゃんとLINEしてて間違って私に送っちゃった？
私のこと考えててLINEくれたわけじゃなくて、エリカちゃんとLINEしてるついでに私にもLINEくれたんだ。
もう エリカちゃん て呼んでるんだね。
[そんなこと言ってくれるのエリカちゃんだけだよ]って、それ何て言われたの？
玲於くんは削除して今の何もなかったことにしてるけど 私は頭から消えないよ。。。
内容なんてどんなでもいいなんて思ったさっきまでの自分を殴りたい。
そっとポッケにスマホ戻して、また震えるバイブも無視した。
私の中がドス黒い何かで満たされる。
やだやだやだ。気にしないようにしたいのにそのことしか考えられない。
嫌い。。。
嘘。今のは嘘。
モヤモヤした気持ちはどこにもぶつけられない。
今日のハンバーグ、玲於くんのだけ激辛にしてやろうか。
帰ってこれないように家のチェーン閉めちゃおうか？
それとも冷蔵庫にある玲於くんのプリン食べてやろうか。
どれも私のドス黒い感情は晴れそうにない。。。
やっぱり気になって見ちゃったスマホ。
佐野玲於 [帰る時間LINEしといて。それから帰ったらちゃんと鍵かけといて。授業中は返信しなくていいから。]
保護者じゃん。。
既読スルーしてポッケに戻す
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作者名：にゅす
| 作成日時：2018年10月6日 0時
