王子なんてくそ食らえ３【佐野玲於】 (ページ19)

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じゅうきゅうページ19

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綾乃が気を使って皆を先に歩かせてくれてる。止まってるのは玲於と私だけ。

A『、、少しだけでも無理かな？』

玲於『あー...じゃあ今言って。』

A『えっと、、ここじゃちょっと、』

今日こそ言うって決めたから、どうしてもって粘るつもりだったけど。。。

玲於『...だったら明日でいい？今、絵理待たせてるから。』

えっ、、、どういうこと？

絵理を待たせてる？

約束って、、、

A『、、一緒に帰るの？』

玲於『うん。ごめん。』

そう言ってスマホいじりながら歩き出す玲於。

、、、もう私には告白すらするチャンスもない？

玲於のこの "ごめん" は今日私が告白しても聞くことになるかもしれない言葉だと思ったら胸が張り裂けそうなほど痛かった。

朝も絵理に起こしてもらったの？

告白は何て返事したの？

彼氏いる子が好きって、、、その一言聞いてから沢山悩んで、、あれは何だったの？

遠くなってく玲於の背中を見ながら何も聞けないでいた。

玲於『...置いてくけど。』

振り返ってそう言う玲於に待ってなんて追いつける余裕はなかった。

A『、、、先に行って。絵理待ってるんでしょ？私、トイレ行ってからいくから。。』

立ち止まってくれるの今は嬉しくない。

玲於『そ？』

そう返事するくせに全然動かない。

玲於『、、、やっぱ話し今聞く。』

A『ううん、いい。...じゃあね。』

そのままトイレの方に走った。

私、また逃げてる。

弱虫、泣き虫、意気地無し。

何にも変われない。。。

ちょっとした表情も仕草にも動揺しちゃうのに、、、絵理と帰る約束してるなんて聞いて完全に弱い心は折れた。

涙腺、、壊れちゃってるのかも。

ピンクのリップ、ゴシゴシ拭いてその手洗いながら目を閉じて深く息を吐く。

ため息じゃないの。涙じゃない方法で色んなもの１回吐き出せたらなって。

これ以上泣いたら止まらなくなりそうだから、すぐ拭って急いで教室に戻った。

綾乃『あ、A！今皆着替えに行ってるよ。佐野くんは？自分の気持ち伝えられた？』

A『...玲於、今日は絵理と帰るからって、、私、告白できなかった。何も言えなくて。。。』

綾乃『えっ、絵理ちゃんと？』

A『約束してるんだって、、、』

絵理『玲於！どこ行くの？』

廊下から絵理の声。

玲於『ちょっと3組寄るから、先に靴履いてて。』

えっ、、？