王子なんてくそ食らえ３【佐野玲於】 (ページ12)

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じゅうにページ12

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手すり見つけて手を伸ばしたら、玲於を見失ってた。。

皆が奥に奥に詰めるから流されて見えなくなっちゃったんだ。もう動けそうもない。

でもどうせ隣りに居たってきっと会話もないし、隣りに居ないほうが苦しくないかも。

だからあえて探さなかった。

走り出したバスで、一人ぼっち。けど今は一人の方が楽。

次の停留所でも乗ってきた人と降りる人で人波に押されて流さる。

転ばないように足下ばっか見てたから、手首掴まれた時に叫びそうになっちゃった。

顔上げたら玲於が居て、自分の方に引き寄せて、両手で周りからガードしてくれるみたくスッポリ腕の中。

玲於『居なくなったかと思って焦った。。探しても見えねーし、、、ごめん、ちゃんと乗る時捕まえておけばよかった。』

もうスマホはいじってなかった。

向かい合わせ、そんなこと耳元で言うなんて反則だよ

A『、、ありがと。』

玲於『すぐ迷子。』

ちょっとふっって笑った？

近すぎて顔上げられないから確認出来ない。

信号で止まる時に揺れて、体がふらついた。

どこにも掴まるとこなくて、玲於におもいっきり抱きついたみたいになっちゃった、、、

咄嗟に玲於が片手で背中を支えてくれたのもあって転ばないで済んだ

、、、けど、これ。。。///

玲於と抱き合ってる！！どうしよう。さっきより長い時間

事故？いや、事件？

心臓口から出そう！

今もし心臓止まったら他殺になるのかな。。。犯人は玲於。

さっきまでの気まずさもあるけど、、、こんなの私に処理しきれなくて意味わかんないこと考えて頭がグルグル回ってた。

もう揺れてないのに回した手、離せない。。

玲於も手すりを掴んでない反対の手、私の背中に回したまま。

この期に及んで私の欲がこのままで居たいって言ってる。

お互い無言だけど、重なった心臓の音一緒の速さだった気がする。。。

またバスが揺れる度、揺れに便乗してもっと強くぎゅってしてみたり？

気持ちが遠いから、今は玲於を近くで感じてたいよ。

人もだいぶ減って頃、バスでさすがにこの状況は、、、って思って

A『...ごめんね、、ありがと。』

本当は離したくないけど、、手をゆっくり離して、近くの手すりに手を伸ばす。

玲於『ん、あぁ、、』

背中からも手が離れて、でもまだちょっと温かいまま。

次が玲於の降りる停留所。

これで本当に繋がりはなくなる。

、、、なくなっちゃう