王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ22)

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私のパフェのイチゴ、食べたがってたくせにちっとも手をつけないで。
たまにどぉ？って冗談も言わないで様子を確認してくれる玲於。

そんなに優しくしないでよ。

優しくされて誰より嬉しいはずなのに、今はこんな勝手なこと思ってる。

好きな子にはもっと優しいのかな？

その子の前ではどんな幸せな顔してるの？

私の知らない顔してる？

手とか繋ぐって特別なんだって思ってたのは私だけ？

皆友達でも普通に手くらい繋いだりするのかな。

その子は当たり前に傍にいられるんだ、、、。

もう実は両想いだったりしたら。。。

疑問が沢山浮かんではかき消して、気になるくせに全部全部答えなんて聞きたくない。

皆が心配してくれる空気にもそろそろ申し訳ないし耐えられなくて、から元気発揮してイチゴパフェに手をつける。

A『よしっ！！食べる！』

綾乃『え、食べるの？』

亜嵐『お腹治った？』

A『治った。。。かも。』

玲於『おまじないしてやろーか。』

A『おまじない？』

玲於『は、知らないの？痛いの痛いの飛んでけーって。』

A『ふふ(笑)』

つい笑っちゃった。

綾乃『なにそれ(笑)』

亜嵐『玲於やってあげなよ(笑)』

玲於『...これ本当は誰にもやらない特別なやつだから。いくよ？ "痛いの痛いの飛んでけー！"』

亜嵐『本気だ(笑) 玲於の本気を見た！』

綾乃『佐野くん(笑)』

A『ははは(笑) ほんとに痛いの治ったかも』

玲於『単純すぎ』

こうやって玲於のことで悩んだりしても、私を誰より笑顔にしてくれるのも玲於。

A『イチゴ食べる気持ちになった！』

、、、私のフォークで刺したイチゴ、隣りからパクって食べられる。

A『なーー～っ！！』

玲於『なー？ w』

亜嵐『いや、玲於。それはAちゃんが可哀想すぎるわ。』

綾乃『佐野くんそんなにAをいじめないでよ。』

A『イチゴ、、、私のイチゴ。。。』

玲於『いやいや、俺はお腹痛いの心配して食べるの手伝ってやったんじゃん。つか、誰のおかげで治ったんだっけ？』

A『、、、玲於です。でも、』

玲於『はい俺のおかげ。"でも"は聞きませーん。』

亜嵐くんにいつもの始まったわ！って言われて、[いつもの]って当たり前になることが幸せでもあって、いつかこれが無くなる怖さに胸が締め付けられる。

せめて今くらいは何にも考えないで一緒の時間を大事に過ごしたい。

私のエゴだけど、今だけは。