王子なんてくそ食らえ２【佐野玲於】 (ページ35)

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涼太『時間取らせないから。』

A『う、うん。』

涼太『そんな警戒しないで、何もしないから。
俺、朝は余裕なくなって、、、ごめん。

Aちゃんがいつまでも苦しそうだからつい。』

A『、、、私も、ごめんなさい。』

涼太『何でAちゃんが謝るの？』

A『...涼太くんはいつも優しいし、私のことなんて好きになってくれてすごく嬉しいけど。
でも、私、、やっぱり、、玲於が好きなの。だから、、、ごめんなさい。』

涼太『知ってる、、。でも俺はAちゃんを好きでいることも許されない？』

A『そんな。。。』

他の人が好きってわかったら好きになっちゃダメなんて、そんなこと言う権利ない。

だったら私はとっくに許されない。

だからと言って、好きでいてなんて言えないよ。

涼太『こんな聞き方ズルいでしょ？俺、Aちゃんの優しさにつけこもうとしてるんだよ。』

A『、、、涼太くん。』

涼太『本当はこのまま俺のことだけ好きになればいいのにって思ってる。

、、、酷いことばっかり言ってごめん。ただ、もう少しだけ、、好きでいさせて。』

見たこともないくらい悲しい顔して、そう言った涼太くん。
大嫌いって言われた方が楽だねなんて笑ったみたいだけど全然笑えてないの。

A『...。』

なんて言ったらいいかわからなかった。

自分を見てるみたいで苦しくて、大嫌いって言われた方が楽だなんてそんなことまで言わせてしまったことに胸が傷む。

涼太くんのが辛いはずだし、私が泣くなんておかしいけど私の方が泣きそう。

こんなに気持ち伝えてくれる人がいて私は幸せすぎるのにね。

涼太『もしまた玲於に泣かされたりしたら、その時は、、』

って言いかけて、

何かあったらたまには頼って。って最後まで優しい言葉をかけてくれて涼太くんは去っていった。

でも私は自分が選んだ道が叶わない恋だとしても、玲於を好きになったことは後悔しない。

でも少女漫画みたいに現実は何もうまくいかない

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絵理との待ち合わせ場所に急ぐ。

A『お待たせ。遅れてごめんね。』

絵理『ううん。私も今来たとこ。』

反対校舎の広い踊り場。この時間は誰もいないからってそこで話すことになった。

絵理『で、Aの話したいことって何？』

A『あ、あのね、実は私、、、、、こんなこと絵理は聞きたくないと思うんだけど、、』