02 ページ2
『もうユンギさんなんて知らないです!私が死んで看板娘がいなくて困ってしまえ!!!!!!!!』
私ははち切れそうな鞄を抱えて、またも店を飛び出した。
そしてすぐに後悔する。そりゃそうだ。
唯一の切り札を自ら手放してしまったのだから。あんなこと言ってしまった手前、もうユンギさんの元には頼みに行けない。最悪だ。全部自業自得なのに。
どうしよう。だんだん日も暮れてきた。このままこの公園で一夜を過ごせと…。
無理無理無理無理!!!!!凍え死んでしまうわ!!!
今何月だと思ってん!?2月!!!
そう、February!!!!!!
花粉症も近づいてきましたね〜じゃないんよ!!!!!
寒い、お腹すいた。
こんな時に限って己の欲望が剥き出しになる。
だが財布とは名ばかりの袋には、小銭にも満たない39円。
あっただけでも感謝しろ。サンキューなってか?
やかましいわ。
あったか〜い飲み物すら買えない。
そうかここで私は死ぬのか。
漫画ならここでユンギさんが現れて、美味しいご飯でも奢ってくれるのにな…。
『そうしたら私…この御恩は忘れませんって、一生かけてご奉仕するってのに……』
YG「言ったな?」
『え?』
今、何か…。
YG「ついて来い」
『て、店長ぉ!!!!!!!!!!』
これは夢か誠かドラマか映画か?
私の目の前には、あの極悪非道の店長ユンギさんがいるじゃないか!
なになに、やっぱり私のことが心配で追ってきちゃったの?ここから始まるラブロマンス?
私は夜の街で一層輝くその後ろ姿を追いかけるのだった。
22人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヨバラズ | 作成日時:2023年4月6日 11時