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【最終話】長い冬 ページ8







『翔・・くん‥?』








無理矢理奪った唇に手を当てて、聿奈は困惑した様子で俺の名前を呼んだ。








「ごめん・・・もうどうしていいか、わかんないんだ。妹だって言われても俺‥3歳までのお前しか知らないし・・・帰ってきてくれて嬉しかったけど‥正直もうわかんねえよ・・」








聿奈の目に、怒りの涙が溜まっていた。


いいよ。俺を怒ってもぜんぜんいい。

どうせお前は二宮を憎むことなんかできやしないんだから。


そのどうしようもない怒りと悲しみを、俺にぶつけてみなよ。








『・・・私だって‥ 私だってわかんないよ!

翔くんのこと、お兄ちゃんだなんて思ったことない!お母さんだってお父さんだって‥っ・・・

どうして私を連れ戻したりなんかしたの?どうして探したりなんかしたの?

戻って来たってこうなるだけだって、そんな‥わかってたじゃん!

だったらあのまま一平君と・・・ずっと一緒にいたかった!ずっとそばにいたかった!

翔くんなんて‥赤の他人だよ!』








赤の他人。だって。


聿奈は言い過ぎたと思ったのか、ハッとして俺の顔を見た。








『ごめん・・・私たちしばらく・・会わない方がいいのかも‥』





「そうだね‥」








15年と言う月日が俺たちの前に改めて突きつけられる。


道行く人たちがこっちを一瞬ちらりと見ては、何事もなかったかのように通り過ぎてゆく。





ほらね、現実は・・いつまでたっても明けない冬みたいだ。








――To be continue…

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海月(みつき)(プロフ) - くま子さん» こんにちは。応援ありがとうございます♪ (2012年10月2日 20時) (レス) id: 2c16506613 (このIDを非表示/違反報告)
くま子(プロフ) - はじめまして‖格埖圓辰討泙(*^^*) (2012年10月1日 23時) (携帯から) (レス) id: 88e5ed9d1f (このIDを非表示/違反報告)
海月(みつき)(プロフ) - 和汰。さん» 初めまして。嬉しいコメントありがとうございます。前作とは大分雰囲気の違うものになっていますが気に入っていただけたなら幸いです。今後ともどうぞよろしくおねがいします! (2012年9月30日 20時) (レス) id: 2c16506613 (このIDを非表示/違反報告)
和汰。(プロフ) - 初コメです。すごく切なくて、泣きそうです!!続きがとても気になります!!「ねぇ」とか…から読ませてもらってますが、海月さんの作品、とっても好きです!頑張ってください。 (2012年9月30日 14時) (レス) id: da035efaea (このIDを非表示/違反報告)
海月(みつき)(プロフ) - ルナ(*'-'*)さん» いつもありがとうございます。にのも翔くんも主人公ちゃんもみんなツライ心を抱えてます。ここまでの長期誘拐は珍しくても実際にこうゆう事件は起きているでしょうから、真摯な気持ちで作品作りに臨みたいと思っています。応援ありがとうございます、頑張ります(^^) (2012年9月29日 23時) (レス) id: 2c16506613 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:海月(みつき) | 作成日時:2012年9月29日 13時

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