断章 視点：後輩 ＞ 教室 ページ25
*
教室に戻りながら、A先輩の顔を思い出す。
今にも泣き崩れそうなのに、必死で踏みとどまっていた。
そんな痛々しいほどの強がりに、胸が痛んだ。
――俺に泣きついてくれたっていいやん。
今朝、彼女を尾行していてよかったと心から思った。
尾行、というにはあまりにも稚拙だろう。もしかしたら、彼女のそれよりも。
A先輩がショッピをつけていることはすぐにわかった。
「俺のこと好きなんかな」
「男見る目なさすぎやろ」
「あ゛？」
なんて親友と軽口を交わした。
結局理由はわからずじまいだったが、本当にショッピのことが好きなんかな、と思う自分もいた。
だから、それを知るために逆に彼女を尾けてみた。
同級生で親友のショッピ。
なんでもそつなくこなし、会長からも全幅の信頼を置かれている。
それだけじゃなく、個性の強すぎるメンバーに埋没しないくらい“オモロイ”。おまけにあの顔面。
同じ一年として比べられることは多い。正直、劣等感を抱かないわけじゃ全然ない。
彼に比べたら、頭脳も、身体能力も劣る。
でも、そんなこと構っていられないくらいに、
「チーノ、顔色悪いやん。どした？」
こいつは、めちゃくちゃにいいやつなのだ。
だから、この親友が今抱いている、
(でも、そんなお前にも、A先輩は渡さへんで――)
続く
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よぞら(プロフ) - なべるさん» コメントありがとうございます！おかげさまで続編を再度出せました〜！お気づきありがとうございます！マイペースに更新がんばってまいります！ (3月3日 0時) (
レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - やった〜続編だ〜！(最近多忙すぎて全く追いつけていない……つら)……更新早すぎじゃないですか？ 体調気を付けてこれからも頑張って下さい！ (3月2日 0時) (レス) id: e38926c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よぞら | 作成日時：2024年2月29日 22時
