帰路 ページ16
私がしつこくキリッとした顔で迫ると、エーミールさんは観念したようだった。
「じゃあ……また私を頼ってください。それで、Aさんの元気な姿を見せてください」
ふにゃっとしたとけそうな微笑と、その口から放たれた存外にキザな言葉。
「キミの笑顔がオレにとって一番のご褒美だよ……」みたいなことを言われたよね今？？？？
「そ、そういうのではなくて！ きちんと物理的なお礼を！」
「物理的！？」
「考えておいてくださいね！」
そんなふうに、強引で押しの強い後輩ムーブをかましてみれば、エーミールさんは「わかりましたよ」と困ったようにくすくす笑った。
*
「ホントにかわええなぁ……」
それぞれの帰り道にわかれたあと、思わず呟きがもれる。
同時に、胸が痛んだ。あんな、頑張りやさんないい子が、根も葉もない中傷に心を痛めている。
自分にはどうすべきかわからなかった。助けを求められればすぐさまその手をとるつもりだが、彼女は決してそれをしないだろう。
むしろ、今は生徒会メンバーを遠ざけたいのではないか。自分のような立場の人間が彼女に手を差し伸べるたび、きっと、彼女を囲むトゲはもっと鋭いものになる。
だからと言って、なにもしないわけにはいかない。
でも、なにが最適解なのか、エーミールにはまだわからなかった。
彼女を傷つけるものにはなりたくない、けれど彼女を傷つけるものを
温厚で平和主義者であることを自負する自分が、Aのこととなると冷たく手段を選ばなくなるのが可笑しかった。
「ちゃんと私を頼ってくださいね」
でないと、私は私を
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よぞら(プロフ) - なべるさん» コメントありがとうございます！おかげさまで続編を再度出せました〜！お気づきありがとうございます！マイペースに更新がんばってまいります！ (3月3日 0時) (
レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - やった〜続編だ〜！(最近多忙すぎて全く追いつけていない……つら)……更新早すぎじゃないですか？ 体調気を付けてこれからも頑張って下さい！ (3月2日 0時) (レス) id: e38926c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よぞら | 作成日時：2024年2月29日 22時
