＞ 体育館脱出 ページ11
腹筋のつらさも相まって、声帯のどこから出てんだっていう声が出る。
ちょっと待った、わかりやすくピンチだ。
ロボロ先生、バフにアテられて、とんでもないこと口走ってる！！
「わぎゃっ！？」
手首を掴まれ、床に押し倒される。
「ろ、ろぼろさん……？」
「……Aさん、かわい……」
私を見下ろすロボロの瞳は、欲 情にまみれてうるうると潤んでいた。
耳まで赤くして、息遣いは荒い。完全に正気を失っている。もちろん、ポケットの懐中時計は激アツでやけどしそうです。
そして、さすがの筋トレマスター、手首を押さえつけてくる力が強い。女子の力では抗えない。
ロボロの顔が近づいてくる。やばい。ガチで貞操の危機。てかここ体育館！ 人来ちゃうから！ いや来て！ 誰かーー！ 男の人ーーー！！！
「ぴ、ＰＦＣバランスってなにっ！？」
この危機を逃れようと、私の口から飛び出たのは、そんな珍妙な絶叫だった。
「…………ＰＦＣバランスに興味あるん！？！？」
――かかった！
「ええやんええやんガチの真剣に筋肉育てようとしてるやん！ 食事における三大栄養素のバランス、ってことは当然知っとるよな！ 三大栄養素ってのはタンパク質、脂質、炭水化物やねんけど、この計算はしたことある？ あ、体重は秘密でええで、計算方法だけ教えるから――」
目をキラキラさせてまくし立てるロボロ。好きなものとなると早口息継ぎなしでしゃべりまくる、そんなオタクの習性があらわになる。
よし、勝った！！
筋トレオタクの彼ならば、一時的にこうして正気を取り戻して(別の狂気に移っただけとも言う)くれるのではないかと、一縷の望みをかけて言ってみたが、ギリ、効いた。
ロボロがＰＦＣバランスについて熱く語っている隙に、するっとさりげなくロボロに組み敷かれている状態から抜け出す。
……やれやれ。こんな筋肉痛でマッハなときに余計なことするなよ、バフの野郎！！
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よぞら(プロフ) - なべるさん» コメントありがとうございます！おかげさまで続編を再度出せました〜！お気づきありがとうございます！マイペースに更新がんばってまいります！ (3月3日 0時) (
レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - やった〜続編だ〜！(最近多忙すぎて全く追いつけていない……つら)……更新早すぎじゃないですか？ 体調気を付けてこれからも頑張って下さい！ (3月2日 0時) (レス) id: e38926c3fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よぞら | 作成日時：2024年2月29日 22時
