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そうした勢力の一つが、DiVARのサーバーをハッキングし、破壊活動を行う事件が立て続けに起こっていた。
端的に言えば、テロ組織である。
自分が接続しているDiVARがハッキングされると、精神が破壊されて廃人になる、という噂も流れていた。政府や開発会社は否定しているが、実際に家族や友人が被害に遭ったという声もある。
デマかもしれないけれど、不安を煽るには十分すぎる噂だ。
それだけじゃない。
今や、DiVARは様々なシステムに接続している。DiVARをハッキングできれば、病院、工場、あらゆる場所の電子機器を掌握したも同然になる。
飛行機を落とすことも、原子炉で事故を起こすことも、きっとできるだろう。
言うまでもなく、たくさんの人たちの命を、一瞬で奪うことも。
「見えなくなったら逃げるに逃げられんやろ?」
「えっと……」
「俺は警告したで、
言うだけ言って、イケメンは立ち去っていった。
あまりに強すぎる顔面に圧され会話をしてしまったが、誰? そしてなんの用だったんだ?
街を立ち去った方がいいとか、言っている内容もよくわからなかったし……。お姉さんって、私の方が年下なんですけど。
まるで、これからこの街のDiVARサーバーを破壊するかのような、そんなセリフだ。
「……まさかね」
あれ?
私が使っているものが視覚補助用だって、どうして知っていたんだろう?
今日の弟
「姉さんどこ行くん? もう帰る時間やで。ほら、手」
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作者名:よぞら | 作成日時:2023年11月15日 22時