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ショッピがいなくなって、もうすぐ１週間が経とうとしていた。
皮肉なことに、DiVARのおかげで不便はなかった。学校に行けたし、だいたいのことはひとりでやれた。
私を取りまく世界は、なにごともなかったかのように、平気な顔をして歩み続けていた。たぶん、私がいなくなっても世界は変わらずいるんだろう。そう思わされるくらいに。
私の世界はというと、めちゃくちゃになっていた。
両親は、私の前で取り乱さないようにしようとしていたが、心ここにあらずといったふうだった。目のクマが黒くて、１０才くらい老けてしまったんじゃないかと思わされた。
警察に捜索願を出したけれど、音沙汰はない。家出なのか、誘拐なのか。生きているのか、死んでいるのか。なにも手がかりは見つからない。
「彼がいなくなった理由や行き先に、なにか心当たりはありますか」
警察の人からのその質問に、私は答えられなかった。
――でも、ショッピがこんなことをしたのは、多分、いや絶対、私のせいなのだ。
『姉さんは俺がそんなに遠くに行ってもええんや』
彼は、
もしかしたら。
ショッピは、DiVARによって頼られなくなることに、さみしさを感じていたんじゃないだろうか。
もし、私とショッピの立場が逆だったら。私がいつもショッピを助けていたら。
ショッピの手を引くのをDiVARにとられた、と思うかもしれなかった。
私は、自分の罪悪感を薄めようとしているばかりで。もうひとりでできるよと、今までかけていた負担を帳消しにしようと躍起になるばかりで。
結局、自分のことしか考えていなかった。
ショッピの気持ちを思いやることができていなかった。
「ショッピにもそんな、かわいいとこがあったんだね」
苦笑まじりに呟いても、それに返してくれる人はもういない。いつも隣にいてくれたかわいい弟は、もうここにはいないから。
今日の弟
「姉さんどこ行くん？ もう帰る時間やで。ほら、手」
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作者名：よぞら | 作成日時：2023年11月15日 22時
