> 狂犬1 ページ7
さらさらした金髪は、夕焼けになる前の太陽の光を受けて、ぱちぱちと光の粒子を放っているように見えた。それと同じくらいきらきらしている水色の瞳を見て、どこかで読んだ“パライバトルマリン”という宝石を思い出す。
世界三大希少石。
付けられる値段はダイヤモンドよりも高い。
目も眩むほど鮮やかな、ネオンブルーの宝石。
それが、端整という一言では表せないくらいの顔面に埋め込まれているものだから。もう直視できないのである。こんなイケメン、近寄りがたすぎる。
……サッカー部のユニフォームに通した腕をブンブン振って、200パーセントの笑顔を浮かべていなければ……。
「いやぁお疲れさんふたりとも! バトンタッチやな!」
「そのまま訓練室に連れ込むとかせんでくださいよクソ先輩」
「あはは! アリやなぁ!」
「不安すぎる〜〜!」
心配を口々にする後輩二人。さっき転びかけたのもあって、どっちが先輩なのかわからなくなってくる。
ショッピくんがおもむろに携帯を取り出し、画面をつけた。
「Aさん連絡先交換しましょ。身の危険を感じたらすぐ呼んでください」
「俺のことどんなヤツだと思とんねん……」
「俺も俺も! 教えてください!」
「えっじゃ俺も」
「「コネシマさんはダメです」」
「なんでやねん!」
コントじみたやりとりの中で、なんだかんだと三人と連絡先交換した。生徒会グループがあるらしく、ついでに招待してもらう。
アイコンはそれぞれ、ショッピくんは猫、チーノくんはピザ、コネシマは好きなサッカーチームの試合風景であった。好きなものを選んでいるのだろうか。
「じゃあ先輩、また……!」
「なんかあってもなくてもいつでも声かけてください!」
「ふたりともありがとうね」
元気に手を振るチーノくんに、ペコっと会釈で見送るショッピくん。
やたらと名残惜しそうな二人を残し、コネシマの案内についていく。
おとなしくトントンの振り分けに従うあたり、彼の指示はわりと絶対らしい。
破るとえげつない制裁(仕事を増やされるとか、締め切りを早められるとか)があるのだろう。私も今から肝に銘じておこう。
参考画像 パライバトルマリン(ロイヤリティーフリー)
今日の部活
豚をなでていたら書記長が「なでてる姿を見てるだけで癒されるわぁ」とニコニコしています。
162人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よぞら(プロフ) - まも。さん» コメントありがとうございます!文才だなんて恐縮です…(照)ですがそのようにお褒めいただけて嬉しいです!天使モードのtn氏のやわらか〜いほわ〜っとした感じを出したかったので嬉しいです…!引き続きお楽しみいただければ幸いです! (3月11日 13時) (レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
まも。 - 最初の「ふわ、と」で文才が開花しすぎて発狂しそうです。好きです。文才でバカボコ殴りつけられた気分です。好きです。陰ながら応援させてもらいます。 (3月10日 17時) (レス) @page1 id: b9c9a804fc (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - なべるさん» コメントありがとうございます!万人受けはしないかも…と思っていたので、神だなんて言っていただき飛び上がるほど嬉しいです!!おそれ多いですが、引き続き更新がんばります! (12月9日 16時) (レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - 設定や文の書き方とか凄い好みでめっちゃ面白いです! 本当に神作品…もっと伸びてくれ… 更新頑張ってくださいね… (12月8日 20時) (レス) @page24 id: 41846b4a21 (このIDを非表示/違反報告)
yoakemae(プロフ) - 爛々炯々さん» コメントありがとうございます!なんと、初日からとは……!そのように言っていただきとても嬉しいです!!引き続き更新頑張ってまいります!! (10月27日 22時) (レス) id: 281ccc1f99 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よぞら | 作成日時:2023年10月9日 21時