〔例外処理を検出しました〕 ページ6
「っぶな……っ！」
すんでのところで私を抱きとめたのは、数段下をおりていたショッピくんだった。
器用なことに、右手で手すりを掴み、左腕で転びかけた私を支えている。
綺麗に澄み渡ったスミレ色の瞳が間近に迫る。よく見れば、光の当たり方でスミレ色に濃淡がうまれていた。光を反射したそれは、さながらアメジストのようで。
「大丈夫すか？」
驚いたのか、気だるげだった瞳は見開かれている。どこか舌足らずの声には、ホッとしたような響きが含まれていた。華奢に見えて、私を抱きとめた力は強い。というか、近――
「……――ア゛っ、すすみみゃへっ！」
私を半ば抱きしめるような体勢になっていたショッピくんが、慌てて私から離れる。しかも噛み噛みで。
姿勢が崩れ、今度はショッピくんが階段を踏み外しそうになる。やばい、と思って、離れたばかりの腕をとっさに掴んだ。と同時に、チーノくんがもう片方の腕を掴む。
「っぶねー！」
「ショッピくん大丈夫！？」
「……だ、だいじょぶ、っす……」
ショッピくんの顔は真っ赤だ。
いたたまれなくなり平謝りする私。「そういうのナシだろぉー！？」と不服のおたけび(？)を上げるチーノくん。
なんか、もう本当に、とりあえず謝罪を繰り返すほかない。
「A先輩大丈夫ですか！？ 変なところ触られてないですか！？」
「チーノお前さぁ」
「本当に大丈夫！ 逆にふたりとも本当にごめん！！」
「俺A先輩の手握ってた方がよくないですか！？！？」
「そ、そこまでは大丈夫だよチーノくん……！」
「ころすぞ」
ふたりの愉快な掛け合いに巻き込まれつつ、若干目がマジなチーノくんを諫める。手を引かれるなんて、そんな子どもじゃない。一応私の方が１年先輩だ。
早々に先輩としての威厳を失っていることを感じつつも、新校舎からグラウンドへの出口が見えてくる。と同時に、
「おお！ こっちやで！」
馬鹿でかい声が出迎えた。
出入り口で待っていてくれたらしい、コネシマである。
今日の部活
豚をなでていたら書記長が「なでてる姿を見てるだけで癒されるわぁ」とニコニコしています。
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よぞら(プロフ) - まも。さん» コメントありがとうございます！文才だなんて恐縮です…（照）ですがそのようにお褒めいただけて嬉しいです！天使モードのtn氏のやわらか〜いほわ〜っとした感じを出したかったので嬉しいです…！引き続きお楽しみいただければ幸いです！ (3月11日 13時) (
レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
まも。 - 最初の「ふわ、と」で文才が開花しすぎて発狂しそうです。好きです。文才でバカボコ殴りつけられた気分です。好きです。陰ながら応援させてもらいます。 (3月10日 17時) (レス) @page1 id: b9c9a804fc (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - なべるさん» コメントありがとうございます！万人受けはしないかも…と思っていたので、神だなんて言っていただき飛び上がるほど嬉しいです！！おそれ多いですが、引き続き更新がんばります！ (12月9日 16時) (レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - 設定や文の書き方とか凄い好みでめっちゃ面白いです! 本当に神作品…もっと伸びてくれ… 更新頑張ってくださいね… (12月8日 20時) (レス) @page24 id: 41846b4a21 (このIDを非表示/違反報告)
yoakemae(プロフ) - 爛々炯々さん» コメントありがとうございます！なんと、初日からとは……！そのように言っていただきとても嬉しいです！！引き続き更新頑張ってまいります！！ (10月27日 22時) (レス) id: 281ccc1f99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よぞら | 作成日時：2023年10月9日 21時
