【d!】元NPCはハッピーエンドを望まない

１２　∬　インカレ（自称） ＞　動物生態研究同好会 ページ47

「具体的になにするんですか？」
「そりゃもういろいろよ！ Aちゃんはなにがしたいん？ 誰とも付き合うつもりないとか言うてたけど」
「え゛っ！？ そうなんですか先輩！？ アストレアに置いてきた恋人もしくは婚約者が！？」
「それはいないけど」
「好きな人がいるとかですか！？」
「いや、そういうわけじゃなくて……ってなんでチーノくんがそんなに気にするのよ」
「い、いやだってだって！ せっかく美人な先輩ができたのに男アリだったらしょんぼりしちゃいますよ！！」
「よくわかんないけど……」

ぎゃんぎゃんしているチーノくん。様子がおかしくなってきたな？

「ま、Aちゃん。人との出会いって大事やで。なんかあったんならいつでも話聞いたるからな」
「考えておきます。じゃ」
「敬語やめて！」

鬱先生の汚い悲鳴を後にして、会長を探すために廊下に出る。



気まずさをもろともせず、鬱先生は変わらぬ様子で接してくれた。
いい人だ、と思う。フラれた側になるんだから、彼の方が気まずいだろうに。そのへん、女子の扱い方が慣れてるんだなと改めて思った。
……いかんいかん、絆(ほだ)されてはならない。





校舎をさまよっていると、なんだかよくわからない裏庭に出た。くそ、転校２日目の私にこんな広さ、扱いきれるわけがない！

「……A先輩？」

背後から声がかかる。振り向くと、「ニャーン」という鳴き声と、

「ショッピくん！」
「どもっす」

ヘルメットを脱いだ、生徒会の後輩その１、ショッピくんがいた。
思いのほか髪の毛がフワッフワである。かわいい。しかも黒猫を抱えている。その姿がやけに絵になって、それは彼自身が猫っぽいからだと気づいた。

うーん、なに？ ショッピくんもひょっとして部活中だったりする？？ とヤケクソで尋ねてみる。

「えーと、ここは何部？」
「一応、動物生態研究同好会っす」
「ど、動物、けんきゅ、なに？」
「というのは名ばかりで、部活ダルい俺が作った実質帰宅部っすよ。今日の活動内容は迷い猫をなでる、です」

飄々(ひょうひょう)と言って、黒猫をなでなでするショッピくん。抱えられた黒猫はすっかりリラックスした状態で、なすがままになっていた。

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今日の部活

豚をなでていたら書記長が「なでてる姿を見てるだけで癒されるわぁ」とニコニコしています。

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