【d!】元NPCはハッピーエンドを望まない

system message：バックグラウンドで新規のイベントが開始されました ページ45

「そうそう、言い忘れていたがな」
「ッ！？」

突然耳元に轟くバリトンボイス。振り返る。いつかの金髪と赤目が――って会長！？

「きゃ――ﾌｺﾞｯ」
「叫ぶな叫ぶな」

おさえられる口元。絶叫が出口を失う。周りから見たら完全に誘拐犯と被害者ですどうもありがとうございました。

「懐中時計のアラートだが、温度の上昇でも通知がある」
「ﾌｶﾞﾌｶﾞ」
「以前火傷したプレーヤーもいたため、念のため警告だ。お前はどんくさくて気づかなさそうだからな」
「ﾌｶﾞッ……どっどんくさくなんかない！」
「威勢のいいことで。それがいつまで続くかな？」

ニィ、と邪悪な笑みを浮かべる会長(？)。鮮烈な印象を残すその笑顔は、旧図書館で会ったあの謎の男に間違いなかった。

……ひょっとして、こいつと会長は、別の存在……？

「威勢のよさを買って、ひとつ警告をしてやろう」
「警告？」





「このままだと、バッドエンド一直線だゾ」





低く響く声。

男は、さっきまで張りつけていた笑みを消していた。今は、罪状を言い渡す裁判官のような、そんな無表情をしている。

「……どういう意味？」
「それを攻略するのが、主役たるお前の役割(ロール)だろう」
「バッドエンドって、えっと、結ばれるとかなんとかってやつでしょ？」
「それだけじゃない。“死なないようにな”」
「は？ ちょ、ちょっと待――」

ひゅん、と風を切るような音がして、次の瞬間。

目の前はなにもない空間に戻っていた。

１１　∬　詐欺師→←１０　🎼　合唱部　‖

今日の部活

豚をなでていたら書記長が「なでてる姿を見てるだけで癒されるわぁ」とニコニコしています。

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