【d!】元NPCはハッピーエンドを望まない

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「……でも、なんかおかしいねん」
「なにが」
「なにが、かはわからん。でも、おかしいんや、なにかが……」
「だからなにがや」
「野生のカンてやつなんや！」
「さっぱりわからん」

ゾムは同時に、こうも言っていた。

離れると、物理的な距離をとると、理性を取り戻す。
昨日の放課後みたく、訓練といった何かしらに集中してるときも理性を保てる。

そのおかげで、Aの家では噛みつくなんてマネをしたゾムが、帰宅して後悔に苛まれまくることとなったのだ。


「い、嫌やぁあああぁぁ！ 嫌われたないいいいぃぃぃ！」

今となっては、ご覧のとおり。
ゾムは昨日からずっとこんなかんじだ。頭を抱え、ほとんと半泣き状態である。

「……ま、時間が必要やな」



そう、時間が必要だ。

優しくて頼れる副会長として、ゆっくり仲良くなっていけばいい、信頼を得ていけばいい。そうすれば、いずれ自分だけのものになる。

遠慮がちに、でも誠実に応えようとしてくれるところも、どこか危なっかしいような抜けた表情も、恥ずかしそうにはにかむ笑顔も、全てが鮮明に脳に焼き付いていた。

守りたいし、壊したい。
壊したいし、守りたい。

そんな相反する矛盾した感情が、波はあれど胸の奥に渦巻いていた。

たぶんこれは、ゾムが抱く感情とも少し違う、少し異質なものだ。

「しばらく近づかん方がええんちゃう？」
「い、嫌やぁあぁぁあああっ！」

頭を抱え、本気で反省している様子の旧友にも、こればっかりは譲れない。

彼女を手に入れるのは、この自分だ。

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今日の部活

豚をなでていたら書記長が「なでてる姿を見てるだけで癒されるわぁ」とニコニコしています。

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