断章 視点：排除済脅威 ページ27
家を追い出され、頭も体も冷えないまま仕方なく帰路につく。もうすぐで何かわかりそうだったのに、邪魔が入ってしまった。
道端の石を蹴る。
歩くたび、Aから離れるたび、よくわからない苛立ちがほんの少しずつ薄まっていく気がした。
そして、家につく頃。
俺は、夢から醒めたような心地で、すっかり青ざめていた。
「な、なにをやっとんねん俺は〜〜〜〜〜〜！！」
自室の真ん中で四肢を丸めてうずくまり、床をたたく。天を仰ぎ叫ぶが、こたえる者はおらず。
どうしてあんなことをしたのか、自分でもよくわからなかった。あのときはなにか催眠状態みたいな、とにかく正気じゃなかった。
Aに触れたくてたまらないという強烈な熱情と、その感情は何由来なんだ？ という、同じくらい強烈な疑問と、違和感と、警戒心。相反する激情がせめぎあって、最終的に前者が勝利してしまった。
同級生の首を噛むて。
もしかして自分はヴァンパイアの末裔だった？ などと現実逃避しそうになる。
「……せやけど、かわいかったなぁ」
首をおさえて、真っ赤な顔と潤んだ瞳で「そっちがでしょ！？」とキレてきた彼女を思い出す。
彼女の表情は、ひどく嗜虐心を煽るものだった。キュートアグレッションの一種、だろうか。
もっと照れさせて、泣かせて、恥ずかしがらせてみたい、なんて。小学生男児じゃあるまいに。
そんなの絶対嫌われる。
「明日からどんな顔して俺は……」
頭を抱える。メンバーに知られても怒られるだろう。みんなAを気に入って好いている。
となれば、ここは先手必勝だ。
というか、もはや相談したい。明日からの俺の人生を。
そう思って、連絡先から見知った名前を選ぶ。
「……トントン？ あんな、俺――」
追記：〔実績《転校初日》が解除されました〕→←《Day 1 End》≫ Next chapter
今日の部活
豚をなでていたら書記長が「なでてる姿を見てるだけで癒されるわぁ」とニコニコしています。
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よぞら(プロフ) - まも。さん» コメントありがとうございます！文才だなんて恐縮です…（照）ですがそのようにお褒めいただけて嬉しいです！天使モードのtn氏のやわらか〜いほわ〜っとした感じを出したかったので嬉しいです…！引き続きお楽しみいただければ幸いです！ (3月11日 13時) (
レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
まも。 - 最初の「ふわ、と」で文才が開花しすぎて発狂しそうです。好きです。文才でバカボコ殴りつけられた気分です。好きです。陰ながら応援させてもらいます。 (3月10日 17時) (レス) @page1 id: b9c9a804fc (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - なべるさん» コメントありがとうございます！万人受けはしないかも…と思っていたので、神だなんて言っていただき飛び上がるほど嬉しいです！！おそれ多いですが、引き続き更新がんばります！ (12月9日 16時) (レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - 設定や文の書き方とか凄い好みでめっちゃ面白いです! 本当に神作品…もっと伸びてくれ… 更新頑張ってくださいね… (12月8日 20時) (レス) @page24 id: 41846b4a21 (このIDを非表示/違反報告)
yoakemae(プロフ) - 爛々炯々さん» コメントありがとうございます！なんと、初日からとは……！そのように言っていただきとても嬉しいです！！引き続き更新頑張ってまいります！！ (10月27日 22時) (レス) id: 281ccc1f99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よぞら | 作成日時：2023年10月9日 21時
