system message：宣戦布告は承認されました ページ16
はっきりと、言い切る。
男は面食らったように、目を見開いていた。
沈黙がおりる。この男の声以外、なにも聞こえない。ここは本当に学校か？ と、あたりを見回そうとした、そのとき、
「…………クク……ククククク……」
「ククク………アーハッハッハッハッハッ！」
ド派手で、とびきり邪悪な笑い声があたりに轟きわたった。悪役というか、完全にラスボスのそれである。
「面白い！ 実に面白い！ 徹頭徹尾“自分”！！ ますます気に入った！！」
「は、はぁ……？」
「お前の“在りよう”に応え、このゲームのルールをひとつ教えよう」
この男、全く人の話を聞こうとしない。上機嫌な様子は、新しいおもちゃを与えられた５歳児である。
「何者でもなかったお前には、ハンデとしてとある“バフ”をかけてある」
バフ。攻撃力アップとか、自分に有利な特殊効果のことだ。
でも、それはあくまでもゲームとかでの話じゃ？
「所詮人間は、その場の人間関係という狭い箱庭で生きている。たとえば家庭、たとえば学校。だが、ゆえにこの“好意”というバフは強力に働く。そのフィールドを支配下に置けるのだからな」
「もしかして、生徒会のみんなが最初から好感度高かったのって」
「落ち込んだか？」
……落ち込んでないと言えば、嘘になる。
私のなにかを好ましく思って、好意的だったんじゃない。ただ、惚れ薬みたいな効果のバフがあったから、みんな優しかっただけで……。
「だが、気をつけたまえ。好意からどんな感情が派生するかは、主役たるお前の行動次第だ」
「嫌なことすると普通に嫌われる？」
「人間の感情はそんな単純じゃない。好きなあまり傷つけることもある。
そして最も重要なのは、誰かと結ばれると
「……え、好かれすぎてもダメなの？」
わけがわかっていない私をお構いなしに、男はニィと唇の端を吊り上げた。さっきよりもその笑みは深い。気に入られるべきではない存在に気に入られてしまった、そんな悪寒しかしなかった。
「窮屈なルールは他にもある。だが、この世界の真実を解き明かせば自由にしてやる」
男は両手を広げ、宣戦布告するかのように告げる。
「さぁ、存在を賭けた“
次の瞬間、電源を切ったように男の姿がかき消えた。
今日の部活
豚をなでていたら書記長が「なでてる姿を見てるだけで癒されるわぁ」とニコニコしています。
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よぞら(プロフ) - まも。さん» コメントありがとうございます！文才だなんて恐縮です…（照）ですがそのようにお褒めいただけて嬉しいです！天使モードのtn氏のやわらか〜いほわ〜っとした感じを出したかったので嬉しいです…！引き続きお楽しみいただければ幸いです！ (3月11日 13時) (
レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
まも。 - 最初の「ふわ、と」で文才が開花しすぎて発狂しそうです。好きです。文才でバカボコ殴りつけられた気分です。好きです。陰ながら応援させてもらいます。 (3月10日 17時) (レス) @page1 id: b9c9a804fc (このIDを非表示/違反報告)
よぞら(プロフ) - なべるさん» コメントありがとうございます！万人受けはしないかも…と思っていたので、神だなんて言っていただき飛び上がるほど嬉しいです！！おそれ多いですが、引き続き更新がんばります！ (12月9日 16時) (レス) id: 5ed934123e (このIDを非表示/違反報告)
なべる(プロフ) - 設定や文の書き方とか凄い好みでめっちゃ面白いです! 本当に神作品…もっと伸びてくれ… 更新頑張ってくださいね… (12月8日 20時) (レス) @page24 id: 41846b4a21 (このIDを非表示/違反報告)
yoakemae(プロフ) - 爛々炯々さん» コメントありがとうございます！なんと、初日からとは……！そのように言っていただきとても嬉しいです！！引き続き更新頑張ってまいります！！ (10月27日 22時) (レス) id: 281ccc1f99 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：よぞら | 作成日時：2023年10月9日 21時
