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第二百二十七話【また一から】 ページ40

パンッ......!


一発の銃声が鳴り響く。その後に続くのは人々の叫び声。


「誰も近づくな!」


あるファストフード店の店内である男が拳銃を持ちながら、その店の女性を人質に取っていた。


流石、道を歩けば立て篭もり事件が発生する魔都ヨコハマである。


相手は一人......しかし、騒ぎを聞きつけた人々の中に仲間がいるかもしれない。これは迂闊には手が出せない状況だ。


こんな時に異能力があったらな......無理なことと思っていても、まだどうしてもその考えだけは忘れることができない。


矢張り、此処は軍警に連絡しようと携帯電話を取り出した時......






"A"





誰かが私の名を呼んだ。


私は振り返りその誰かを探す。この雑踏の中、ただ一人私のことを呼んだ者を......


違う......


違う貴方じゃない......


人々の焦燥と不安の顔が浮かび上がる中、私は必死に目を動かす。



違う......違う......ちがっ......


あっ......!





ただ一人雑踏から少し離れた貴方(・・)は私を見ていた。そして、私の視線に気づいたのか貴方はまた口を開く。





"ただいま"





貴方はそう言って小さく微笑んだ。そして、その後ろに二人の影が現れる。


どうして......何で......そんな疑問が頭を横切る。そしてある言葉を思い出す。





────「A、一つ言っておく。もし......」






「......もし、異能力が戻ることがあれば、『幻影と夜曲』はその力で人を殺めない限りもう危険な存在でない。『骸骨の舞跳』『天衣無縫』と共にもう一度その力を存分に奮いなさい」






聞きたいことはたくさんあるのに、それでも今はただ一つ純粋な嬉しさだけが勝っていた。


私は落ち着くように深呼吸をする。そして彼ら(・・)へ精一杯の笑顔を見せた。





「皆んなおかえり。また......私に力を貸してくれる?」





今日も数ある内の事件の幕上がり。


ある異能力者の活躍で事件も早々に解決した。そんなニュースの一つが流れる今日この頃。


此処に語られしは、『夜明けの死神』と云われた死神を連れた異能力者の話。


事件の潰えないこの街で、その異能力者が信じる仲間達と共に日々ヨコハマを守る為に生きるこの物語。


これにてここに閉幕なり────

作者より→←第二百二十六話【過ぎゆく過去】



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トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» コメントありがとうございます!無事に完結することができました。そう思っていただけたのなら私も嬉しいです。私も知っている作品がありましたらぜひ読ませていただきますね(^^) こちらこそ応援してくださりありがとうございました! (2023年1月31日 15時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 完結おめでとうございます!!トキハルさんの書く文章を読んで私、漸く作者側に戻ってみようと思うことが出来ました。今度は私の作品を読んでいただけたらとても光栄です^^本当にお疲れ様でした!! (2023年1月31日 10時) (レス) @page40 id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)
トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» たくさんお待たせしてしまってすみません(┯_┯)ずっと待っていてくださりありがとうございました! 後編もまた来週くらいには上げられるように仕上げていきますので、今もう少しお待ちしていただけるとお願いしますm(_ _)m (2023年1月28日 10時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 続編おめでとうございます!!そしておかえりなさいです!ずっとずっと待ってました^^戻ってきて下さっただけで嬉しいです!!更新応援してます!! (2023年1月28日 7時) (レス) id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トキハル | 作成日時:2023年1月26日 23時

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