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第百九十九話【協力協定】 ページ11

「全くこのようなことは事前に言っていただかないと......だが、こちらも被害を被りたくはない。今回ばかりは協力しましょう。福沢殿」


電話越しにポートマフィアの首領、森 鷗外の声が響く。


「協力感謝する。森医師」


福沢は短く感謝を述べた後、電話を切った。


太宰から今回の件を受けて、ポートマフィアにも協力を得られるよう交渉した。ポートマフィア側も今回の事態を重く受け止め、手を貸すことを選んだのは不幸中の幸いだった。


「......手前ェ、首領の命じゃなかったら、俺らも動かねェからな。それは忘れンなよ太宰」


ポートマフィア側の現場指揮監督、中原が作戦本部に到着した。


「探偵社もマフィアと共同して作戦を実行する。ポイントは四箇所。制限時間はアンドロイドが街に放たれるまで、何か質問は?」


「......ポイントは五箇所だろ?その地図もう一点あんだろうが?」


その言葉に太宰は口を開かなかった。だが、その態度が中原の癪に触れた。


「おい、何か言えよ太宰」


そこで中原は気づいてしまった。他の探偵社員は今回の事件を受け、護衛任務は中止となり既に此処に集まっている。だが、誰かがいない。誰か......


「おい......太宰。Aはどうした......?」


そうだ。秋田がいない。この緊急事態に非番だとしても居ない筈がない。


「Aちゃん......は......」


中原の言葉に太宰は目を逸らした。まるで言い難いことがあるかのように。


「何でこの場に彼奴が居ねえんだ!答えろ」


「彼女は今正にアンドロイドの対処に当たっている」


「そのもう一点の場所ってことか?なら俺が助けになってやるか?」


一人であれば苦戦している筈だ。今から助太刀に行けば、十分な戦力になり得る。だが、中原に予想打にしない冷たい一言が突き刺した。


「君には無理だ」


「はっ?」


「今君もそこに行ったら、君は彼女の巻き添えを食らうだけだ」


探偵社員達は助けに行かないのではない。助けに行けないのだ。理由は分からない。だが、探偵社員達が一番助けに行きたいそれだけは確かな筈だった。


「......ッ。お前がそう言う時は本当に無理何だろうよ。くそっ」


残りのポイントは四箇所。もう私情に挟まれている場合じゃない。首領の命を完遂する為に部下へ的確に指揮を出す。


それでも知り合いを黙って見てる程、中原は非情な男ではない。


「A......死ぬンじゃねェぞ」


必ず生きて会う。それだけを信じて中原は歩き出した。

第二百話【力の限界】→←第百九十八話【最期の戦い】



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トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» コメントありがとうございます!無事に完結することができました。そう思っていただけたのなら私も嬉しいです。私も知っている作品がありましたらぜひ読ませていただきますね(^^) こちらこそ応援してくださりありがとうございました! (2023年1月31日 15時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 完結おめでとうございます!!トキハルさんの書く文章を読んで私、漸く作者側に戻ってみようと思うことが出来ました。今度は私の作品を読んでいただけたらとても光栄です^^本当にお疲れ様でした!! (2023年1月31日 10時) (レス) @page40 id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)
トキハル(プロフ) - 藍染紅琳さん» たくさんお待たせしてしまってすみません(┯_┯)ずっと待っていてくださりありがとうございました! 後編もまた来週くらいには上げられるように仕上げていきますので、今もう少しお待ちしていただけるとお願いしますm(_ _)m (2023年1月28日 10時) (レス) id: a4508594ec (このIDを非表示/違反報告)
藍染紅琳(プロフ) - 続編おめでとうございます!!そしておかえりなさいです!ずっとずっと待ってました^^戻ってきて下さっただけで嬉しいです!!更新応援してます!! (2023年1月28日 7時) (レス) id: 94358f61cd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:トキハル | 作成日時:2023年1月26日 23時

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