幸せにしたいから【第五人格】

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久々に話せて嬉しいと思う俺の気持ちとは裏腹に、彼女と目が合ったのは扉を開けた一瞬だけだった。


話しかけてみてもそっけない態度に、心が沈む単純な自分に嫌気がさした。


最後に階段で話したときのAの表情が、脳裏にちらつく。


あれからずっと考え続けていた。


マーサの話。彼女の態度。


その意味がなんなのか、いつまでたっても答えにたどり着けない。



なあ、どうなんだ？A。



聞きたいのに、うまく言葉が出てこないんだ。







・

ハンターが近くにいる！

しばらく解読に集中していると、
不意に連絡を入れたのはオフェンスのウィル。

どうやら、ファーストチェイスに当たったようだった。


あいつならしばらくはハンターを惹き付けるだろう。


ゲート側の暗号機がナイエルによって解読された頃には、自身の暗号機ももう九割ほどになっていた。


解読完了の音を立てたとほぼ同時に、墓側の暗号機方面から"先に行くよ！"とAから連絡が入る。



これで残る暗号機は２つ。


うまくいけば、ウィルがチェイス前に触っていたものと、新規のものでゲートが開放されるはずだ。



そして、調香師が触っている暗号機の方向は恐らくウィルが序盤に触れていたものだろう。


だから俺は、新規のある教会中の方へ足早に駆けた。




『……！』



彼女がいることを見越して。





・

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