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「本当に何もないわけ？」
食堂の長い机を挟んだ先、
ぐいっと目の前に、ウィラの綺麗な顔が迫る。
さすがに女同士であっても近いと思うような距離だ。
『な、ないよ。むしろ何があるっていうのさ……』
疑問を素直にぶつければ、はあ。なんて浅いため息をつかれる。
さっきからウィラや隣に座るフィオナはずっとこの調子。一体何事か。
至近距離での質問(というより拷問？)に若干気疲れしていると、
斜め前の席に腰かけているエミリーがポツリと呟いた。
「そういやサベダーさんって、案外素敵よね」
『え？』
一瞬息が詰まったような感覚に陥る。
突然何を言い出したかと思えば。エミリーってば、意外な趣味だったのかな。
「………ええ、確かにね。結構頼りになるし？」
『えっ？フィ、フィオナ？』
周りも続けて、口々にナワーブを誉め出す。
いやいや待って、皆どうした。
変なウィルス感染でも引き起こしたの？
「実は彼、最近気になる人ができたって噂があるわよね」
え？
『な……っ、誰！？』
ナワーブに、好きな人？
嘘、まさかそんなこと。
「随分と食いつくのね」
『え……』
あれ、本当だ。
どうして熱くなっているんだろう。
あいつに好きな人がいようが、恋人が出来ようが、私には何の関係もないというのに。
でも何だか、心に靄がかかっているような、よくない感じがする。
「ふふ。気になるのは、Aが彼を特別に思っているからじゃないの？」
そう言いながら、ウィラが楽しそうに笑う。
特別？
『それ、って』
つまり
『私……あいつが好きなの？』
声に出したことに、後から気づいて口をハッと押さえる。
途端、ぶわっと顔に熱が集まるのを感じ、思わず動揺してしまう。
「これはきたわよ」
「エミリー、あなた天才？」
「A、乙女なの！」
口々に何か言っているが、私の頭はそれどころではなかった。
うるさく鳴る心臓が、やけに耳に障った。
・
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ノア - いい話でした!!!でも完結しないで欲しかった!!!なんか寂しい!!! (2021年9月16日 18時) (
レス) id: d3532bbf31 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダー - 完結おめでとう！！ナワーブかっこよかったなーこれからも頑張れ (2020年1月23日 18時) (レス) id: 54c7bc329a (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 完結おめでとうございます！ナワーブくんと夢主ちゃんの葛藤……二人とも幸せになって良かったです！イライくんは…ちょっと悲しいけど…とても素敵なお話でした！ (2019年8月14日 8時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
setuna7014(プロフ) - 完結おめでとうございます、とても素敵な作品でした。次のお話も期待しております (2019年8月14日 3時) (レス) id: 9c6758aed7 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぴら(プロフ) - setuna7014さん» 率直なコメントとっても嬉しいです、ありがとうございます！更新頑張ります…！ (2019年8月3日 23時) (レス) id: 3f5b5addce (このIDを非表示/違反報告)
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