【小噺】勧誘* ページ37
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『はーーーーーもーーーーー』
拷問官執務室。紙が擦れる音が空気に溶け込み、兵士達の雄叫び声で掻き消されていく。
暫くして書類に記載された内容を読み終えると、私はだらんと背凭れに凭れ掛かり溜息を吐いた。
仕事場から結構離れているにも関わらず(恐らくグルさんの命令で)態々幹部棟まで持って来てくれたメイドさんには悪いが、コレは持ってくる前に適当に処分して欲しかった部類のモノだ。
まぁそんな事した暁にはトンさんからの説教が待っとるんやけど。
整理された机の上に先程まで手に取っていた紙を乱雑に放り投げる。
「早めに返事が欲しいとの事ですが、如何なさいますか？」
『今書きます…』
机に散らばったゴミ……じゃなくて書類を睨みつける。
何やねんこの綺麗な単語詰め込みました〜みたいな文面。組織のコト馬鹿にしとんのか顔面にフッ酸撒き散らすぞ。自分等の方が相応しい、とか頭に何詰めたらそんな考えに至るんや…？
あ、と間抜けな声を上げる。幹部の中ではこういう大事(笑)な書類に手をつける際特殊な加工を施した万年筆を使う事になっているのだが、惚けていたのかうっかり自室に置いてきてしまったのだ。
久々に来た面倒事に動く気力が起きなくて、メイドさんに持って来て欲しいと頼めば快く承諾してくれた。忙しい筈なのに申し訳無い……頼んだの自分やけど。
にしても、以前よりも仕事の効率が格段に上がっていて思わず笑ってしまった。やっぱ定期的に大掃除しないと駄目やね、直ぐに鼠が入ってくる。
まぁここ迄近くに居ると吊し上げし易いから募集は辞める気ないんやけど。
＿＿＿
引き抜きの件を忘れる為に只管書類作成に没頭し、任されていた全書類を捌いた頃には日が完全に沈んでいた。夕食の時間を少し過ぎた位だろうか。そう言えば少し前に連絡が来ていた気がしなくも無い。
そんな事を考えていれば此方に近付いてくる気配が一つ。気配と足音からしてトンさんだろう。
コンコンコン、とノックが鳴る。
「カタカナ〜？ﾀﾋんどるんやったら返事して〜？」
『ﾀﾋんでまーす』
「フフッ…っあーAﾀﾋんどるわ〜これ」
今日のトンさんは
「カタカナ、もう皆ご飯食べ始めてんで」
『態々呼びに来てくれたんですか、ありがてぇ』
「声ﾀﾋんでるやん…なんかあった？」
『引き抜き』「察した」
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怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
