◇ ページ33
「いや金髪碧眼と黒髪蒼眼てまんま俺らやんけ！」
「……はァっ！たっ確かに！！」
「ほんで気付いとらんかったんかい！！」
「やー…A探すのに脳のキャパ割いとったからあんま特徴とか気にしとらんかってん」
「はいはい末爆末爆」
末爆…？聞き慣れない言葉にハテナを浮かべる。
…末っ子感爆発の略かな？しっくりくる正称(仮)が思い浮かんだ為このことは頭の片隅に追いやった。後で調べるなりすれば良い。現実逃避も程々にしなければ何かと目敏い御三方にバレて心配そうな顔をさせてしまうのだ。オタクとしても一人間としても、彼らにそんな顔をさせる訳にはいかなかった。
…オタクとして、は もう遅いか。
「邪魔するでー」
「邪魔すんねやったら帰って〜」
「あいよー」
綺麗にUターンして帰ろうとする紗緒と陽呂を宇都宮さんが慌てて追いかける。あの無駄に洗練された無駄のない無駄な動き…流石笑いに生きる関西人と言ったところか。
微かに笑い声が聞こえ視線を動かせば、横で目を細めクツクツ喉を鳴らしていた二人に思わず口から心臓が飛び出そうになった。急な供給は勘弁して欲しい。せめてﾀﾋぬ覚悟を決める時間を貰いたいと切に願うが、届くとは思っていない。
「ホンマに帰るなホンマに帰るな！！」
「ふっ…くふふっ、冗談やって冗談！」
「せやぞー」
「嘘つけお前、シャオちゃんはギャグやったけどお前はもう目がガチやったやん」
紗緒と陽呂が輪に加わったことでゲーム部仮入部生が揃った。そう、"揃った"のだ。
結局私は、私たちはゲーム部に仮入部することを決めた。紗緒は野球一筋だろうと勝手に思っていたが、どうやら野球部とゲーム部を掛け持ちするらしい。
部活掛け持ちとか(一度目*で友人から借りた)少女漫画の中でしか見たことないんやけど、と括弧の中を省略して伝えれば、紗緒は呆気にとられたような顔をして少女漫画への興味関心があったのか、と驚かれた。彼は私のことをなんだと思っているのだろうか。……まあ確かに興味はないんやけどさ。
仮入部当日。部室に集まった面々を見て運命にでも導かれているのか？なんて過去の私なら迷わず鼻で嗤うような戯言が脳裏を過ぎったのはここだけの話である。今の私からは大分要素は抜かれているが、こんなトンデモ現象を体験しなければ元は根っからのリアリストなのだ。
集まったのはどこぞのナニッペンの人を惹きつける気質が齎した結果だろうに。
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怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
