◇ ページ20
「あ！そういや自己紹介してへんかったなぁ
あ、因みに君らと
「あー…そういやお前E組ン所で見たことあるわ」
「まぁ僕のクラスはA組なんですけどね」
「なんやねんコイツ」
媚びるような薄ら笑いを浮かべ自己開示を行う宇都宮さんに皆の注目が集まる中、隣席で"宇都宮"という言葉を呪詛のように呟き続けていた希が突然ハッと彼の方を見遣った。
……真逆、思い出した？
ピリついた緊張感が背筋を走る。今ここで思い出しても、彼にとっては辛いだけだろうと勝手に思っていた。今までこの平和な世界でのびのびと暮らしていた"希"という人間が、あの殺伐とした世界の記憶をいきなりぶっ込まれて、果たして受け入れられるのか。その答えを、私は未だ測りかねている。
「うっ宇都宮ってもしかしてあの女とっかえひっかえしてることで有名な宇都宮、サン？」
「わァ高校生活二日目やのにもうソレが出回っとることに驚きを隠せない」
大丈夫そうで良かったけどその前に希は何処で聞いたんやその噂は。
…にしても、彼は今世でも好みの女性達を貪り喰っているみたいですね！今世も背後には気をつけて頂きたい所存である。
「普段の行いなんやない？」
「ｼﾝﾗﾁｭ…」
くねくねと体を捩りながら近寄ってくる宇都宮さんにアスファルトの上で乾涸びた蚯蚓を見つけた時のような、悲鳴に近い声を上げた紗緒はジリジリと距離を詰めてくる彼を撲滅せんと言わんばかりの勢いでその頭を
ふと、紗緒と戯れていた宇都宮さんが私に視線を向ける。深海を取って貼り付けたような瑠璃の瞳がすぅと細められ、その見覚えしかない仕草に私は応える他なかった。
異様な雰囲気が私達を包み込む。
「えと、な、何してるん？」
男子高校生にしてはやや高めの、動揺と困惑を孕んだ一声が見えぬ其れを断ち切った。
『ん〜？面白い人やなーって』
「……そか」
『希も、ココ入るんやったらちょっとずつで良えから宇都宮さんと仲良くなりなね』
「ｴｯやっ、ココにするって決めた訳やないし…」
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怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
