◇ ページ14
『じゃ、また後で』
「またな〜」
「あのでっかい桜前集合な！」
『了解』
皆と別れ、ざわざわと騒めく教室に入れば、既に幾つかグループが出来ているようで。
また最初のこういうグループ分けでスクールカーストの位が決められるんやろなぁ。中学…否、一度目*の時から変わらない、地位や格差を気にする人間のやり口だ。小学生の頃の純粋無垢さは何処へ……
先生が来るまで暇やし、この前母さんがくれた小説でも読んどこか。思い立ったが吉日、とはよく言ったもの。早速小さな手提げ鞄に入れていたカバー付き小説を取り出した私はぺらりとページを捲り＿＿出てきたタイトルに思わず思考を停止させた。
……あの、何を思って倫理学なんてジャンルチョイスしたんや母さん？？高校生にはちょっと早いと思うでコレ。いや暇やし読むけど。
＿＿＿
特に見所もなく、入学式は閉式した。
言うとしたらA組の担任が鬱先生好みの古風美女だったくらい。「よろしおす」なんて幻聴が聞こえた気がした。
嗚呼後は、この場を埋め尽くす人の大半が一斉に拍手を送るから耳が死ぬかと思ったこと。卒業式の日は耳栓を持っていこうと決意したよね。一度目*の鍛え()られた鼓膜やないから大事にせな。
受け取った教科書類やプリントをリュックに詰め颯爽と教室を出る。
残念ながら、クラスには馴染めそうになかった。
暫くはあの本にお世話になるだろうなと思いながらこっそり両隣のクラスを見遣るが、何方もまだSHRの最中らしく生徒達が静かに教師の話を傾聴していた。
彼らに言われた通り下の桜前で待とうと右足を踏み出して、左隣にある開け放しの窓に一瞬視線を送る。
こっから降りれたら楽で良いんやけどなぁ…
「……ぁ、居った…居った居った！おーーいA〜！！」
「こっち見ろ〜！！」
『！……希に紗緒やん』
「いや俺も居る！！！」
「お前小っさ過ぎて見えへんかったんとちゃう？」
『ごめん陽呂ホントに見えんかった』
素直に謝ると陽呂はショックを受けたのか「え、」と短く発した後 氷像のように動かなくなってしまった。
すまんだら(最上級の謝罪)
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
天久保 陽呂/ロボロ
[概要]
A達の中学からの同級生で友達。紗緒(シャオロン)とはマブダチ。
前世はd国軍のサイバー対策班班長兼司令長官で、「天の声」と謳われていた。
本編時空では茶山高校1年D組。得意科目は理科(生物)と音楽。苦手科目は特に無し。
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怜巫(プロフ) - まるさん» コメントありがとうございます。イマジナリーッペンは自分でもお気に入りの造語です(笑)。ご期待に添えられるようなお話かは分かりませんが、気長にお待ち頂ければ幸いです… (11月20日 15時) (
レス) id: 42dc5a7528 (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 今では珍しいパンゾンビ、P.6で出てきて懐かしすぎて久々に見に行ってしまいましたwイマジナリーッペンの語呂の良さ、微笑んでしまうようなやり取りetc…明日が一応更新日ということで、気長に楽しみに待っています！！ (11月18日 20時) (レス) @page33 id: dba6e6f19e (このIDを非表示/違反報告)
怜巫(プロフ) - ワカメさん» お褒めいただきありがとうございます！遅筆ですが頑張って続きを作成中ですのでこれからも本作品を何卒宜しくお願いします！ (10月3日 20時) (レス) id: 138669c149 (このIDを非表示/違反報告)
ワカメ - ものすごく面白いです！続き楽しみにしてます！ (10月3日 18時) (レス) @page22 id: 103dc78d5a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：怜巫 | 作成日時：2023年8月17日 5時
