impostor 2

56 alan ページ7

Aの手の中には俺のトークルームが開かれたまんまの携帯。






それからソファの傍には、忙しくて畳めて無かった洗濯物が綺麗に畳まれていた。







俺はなんてできる幼馴染を持ったんだって感動しながらAを起こす







「A〜ただいま〜」






モゾモゾ動いたAが、『りょ、たくん？おかえり』と。






その一言に、ズキンと胸が痛む






やっぱり、まだ涼太の事が好きなの？






ねぇ、A。






Aは誰が好き？






『あれ、亜嵐。おかえり』






そんな俺の疑問は、眠たそうに目をこすりながらふにゃりと笑ったAに消された。







『ごめん、寝てた』
「いや、いいよ。俺が遅くなったのが原因だし。ごめんね」
『忙しいのはいいことじゃん。まぁ遅すぎだけど』






不貞腐れてるAにごめんね〜っていうと『なんか話あるんでしょ？』って、突然本題を出された







「あーうん。まず、座ろう」






ソファに座りなおしたAが、何？とクッションを抱きながらまっすぐ俺を見る






「Aは、涼太が好き？」





俺の質問に少しだけ、間を開けて『もう、好きじゃないよ』と笑った






「じゃあ、この前の、俺が好きだって言ったの、覚えてるよね？」
『忘れるわけないじゃん』
「うん、だからさ、俺に気持ちが向いてなくても、絶対向かせるし、絶対幸せなするから。だから、俺と付き合ってください」

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