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私たちは片付けをして、スタッフさんにお礼を言って、
リーダーからの今日は直帰でいいよってメッセージに後輩と喜んで、
「ありがとうございました。お疲れ様でした。」
って、スタジオを出た。
窓から見える、まだ明るい空。
もうすぐ夏だなぁ。
そんなこと思ってると、「Aさん」と、
久しぶりに聞いた、あの人の私を呼ぶ声。
くるりと振り返ると、髪はセットされたままだったけど、私服に着替えてる彼の姿。
『片寄さん。お疲れ様でした』
泣きそうになるのをこらえて、必死に作り笑いをして、また、歩き出す。
もう、涼太くんなんて、呼んじゃダメ。
忘れないと。
早く、前に進まないと。
泣くな、私。
グッと唇を噛み締めた時。
「Aっ!」
そんな声と共に聞こえてきた足音。
あっという間に、大好きな人の香りに包まれる。
その匂いに、溢れた涙は止まらない。
ボロボロと溢れる涙は、彼の服を濡らす。
「会いたかった」
そう呟いた彼が私を強く抱きしめる。
『ずるいよ』
「ごめん。忘れようと思ったし、前に進もうと思ったけど、どうしても忘れられなくて、忘れたくなくて」
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coco(プロフ) - かなさん» 新作までチェックして頂けてうれしいです(;_;)これからもよろしくお願いします (2017年12月10日 20時) (レス) id: d948e0cd4f (このIDを非表示/違反報告)
coco(プロフ) - miyu8969さん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました (2017年12月10日 20時) (レス) id: d948e0cd4f (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 完結おめでとうございます!ハッピーエンドになって嬉しいです!新作の方もさっそくお気に入りにさせていただきました☆新作も更新頑張って下さい♪ (2017年12月10日 19時) (レス) id: f919ec8430 (このIDを非表示/違反報告)
miyu8969(プロフ) - この話は本当に良くて何回も読んじゃいます(笑)本当に良かったです(//∇//) (2017年12月10日 12時) (レス) id: 159482c0be (このIDを非表示/違反報告)
mitsurin78(プロフ) - 続ききになりすぎて、ウズウズしてます(T_T) (2017年12月1日 0時) (レス) id: 9abd6c6da8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:coco | 作成日時:2017年11月8日 22時