We are together (JUMP×JUMP) (ページ6)

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数日後。相変わらず新しいたこ焼きが思いつかず悶々としながら日々を過ごしていた。

「こんにちは〜！マカロンたこ焼き、1つお願い出来ますか？」

「伊野尾先生！いつもご贔屓にしてくださりありがとうございます！」

そんな中、やって来たのは俺の恩人とも言える伊野尾先生。
黒髪と金髪のツートーンヘアに中性的な顔立ちをした、綺麗だがどこか寂しそうな瞳をした憂いを帯びた男性だ。

スーパーHSJの常連だったらしい彼がたまたまウチのマカロンたこ焼きを買ってくれて、それ以来ここの常連でもいてくれる。

このマカロンたこ焼きを小説にさせてください！と頼み込まれた時は驚いたがその小説を持ってきてお陰様で重版出来です！なんて言われた時は更に驚いた。……ひどく派手になった髪型に。

……そういえば

「アレ、今日は知念さんに会わなくていいんですか？」

そう問うと、伊野尾さんはあぁ、とひとつ言い首を横に振った。

「いや〜ぁ、……今日は大丈夫です」

……伊野尾さんは2年前からずっと、知念さんと仲がいい。
なんだかこそこそ会ってるみたいで俺はよく嫉妬をしていた。
……が、最近はめっきりそういうのが減ったからなんだか拍子抜けだ。いつだっただろう、1ヶ月前辺りかな？

まぁ、俺からしたら喜ばしいことなのだが。
(でも相変わらず仲はいいみたいだ)

「知念さんと言えば、聞きましたよ！中島さん新しいたこ焼き募集中なんですよね？」

「あっ、はい！そうなんです」

「それならぁ〜こんなの、どうです？」

「……おぉ、いいですね！！」

伊野尾さんから受けた案に俺は思わず唸ってしまった。
非現実的でなく、それでいて斬新。
そのアイデア力は流石プロの小説家だなと感心した。

「伊野尾先生、何から何までホントにありがとうございます……」

「いえいえ、こちらこそ……。僕、中島さんのマカロンたこ焼きに元気づけられたから……」

「え？」

「いえ、なんでも」

意味ありげに呟いた伊野尾さんに驚き聞き返すも伊野尾さんはただ笑うだけで……。
この人の抱えるモノを、俺が詮索しちゃいけないってことはなんとなく解った。

「……それじゃ、俺はコレで」

「って伊野尾さん！マカロンたこ焼きまだ出来てませんよ！！」

「あっ……失礼失礼」

けど、この人は多分いい人とはなんとなく、解る。