フロイデのターン ページ22
【twst腐】積極的難儀と消極的難儀を経てのフロ→イデ
───────
───壁ドン。
乙女の憧れ、ラブロマンスのド定番。
ヒトの心理はよくわからないけれど、婦女子の考えることはとりわけ理解不能だ。
壁に追いやられ、退路を立たれ、自分より力の強い生物に迫られることにときめくなんて。 それは生物の本能として“命の危機”を感じているのを“恋”と勘違いしているだけではないか……と、恋愛にわかのイデア・シュラウドは無粋な考察を脳内で捏ねくり回していた。
そう、
いつもの現実逃避癖である。
彼はひどい猫背だが、それでも180センチ以上の上背を誇る高身長男子である。 見目の良さは亡国の姫君のお墨付きだ。
しかし世の中、上には上がいるもので。
現在彼を壁に追いやりマウントを取っている1歳年下の異種族、フロイド・リーチは190センチ級の超大型高校生である。
190センチ級の、超大型後輩に、
壁ドンを、されているのである。
｢…………｣
しかもなんだか機嫌が悪そう。
なんだろう。 あれだろうか。
機嫌が悪い時に視界に入ってきやがって、殺すぞ。
みたいな因縁だろうか。 やれ恐ろしい。
慈悲の精神とはいったい。
｢先輩に付きまとうようになってからさぁ、つまんねーんだよね｣
｢はっ！？！｣
突如沈黙を破られた驚きで大袈裟に反応してしまった。 と言うより、こんな状況でなくともフロイドとは同じ空間にいるだけで恐怖なのだ。
｢頭を先輩に支配されてるって感じ。 俺にとって面白くない方に突き進んでる気がすんの……｣
しかし一方的に主張させ続けていては、逃げるタイミングを失う。 なんとか会話の中でこの奇天烈人魚の行動原理を把握して、的確な返事をして、逃走のチャンスを作らなければ。
｢ま、待って。 それなんの話？｣
1ヶ月分の気力を振り絞って一言申し上げた。
恐る恐る目だけ動かして相手の顔色を伺うと
ほっぺた膨らませちゃって
あらやだご立腹。
などとふざけている場合ではない。
｢はぁ……わかんねーとか……｣
大変だ。 一大事だ。 怒らせてしまった。
｢例えばさぁ｣
そう言いながら、一見たれ目が優しそうなかんばせが目前に迫ってくる。
背後は壁。 両脇には腕。
逃げ場無し。
是非も無し。
現状はさながら網に捕らわれたホタルイカ。
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かおり(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます。 すみません、ほとんどわからないです･･･！ (2020年10月13日 19時) (
レス) id: 8721d08b30 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 鋼の錬金術師は知ってます？ (2020年10月13日 15時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かおり | 作成日時：2020年9月20日 2時
