定例会議 NOside ページ36
「ではこれより、定例会議を始めます。」
真っ黒な部屋の中、円卓を囲むのは動物の被り物を被った人物達だった。老若男女それぞれに、第5ステージが終わったばかりのリアル実況モニターを眺めている。
「今回のメンバーは従順だな。12番街など押さえ込むのに数日は要しただろう。」
「そうそう。おかげでまともなゲームにならなかった。」
「ええ……。今回は前回の反省点を生かし、意図的にそういう者達を選びました。」
豚とキリンの2人の会話を聞いたパカが答える。
「件の素質は勿論、期間願望が薄い、又は全くない者達です。」
その事葉と共に、『fin』で止まっていたモニターに、7人のメンバーが映し出された。
「例えば鬼ヶ崎カイコク。由緒ある旧家の1人息子ですが家から勘当を食らった身。現状帰る場所がありません。」
「逢河マキノ。両親の不仲により家庭が既に崩壊しております。口数が極端に少ないのも、人間関係を既に諦観しているためかと。この世への執着自体も薄い。」
「更屋敷カリン。幼少より信頼を寄せていた兄が、突然企業の為家出。両親の過度な期待を、1人で一身に背負っていました。ストレスで爆発寸前のところを拾っております。」
「駆堂アンヤ。睡眠障害を持つ家系で、長兄もそれでバイク事故を起こし亡くなっています。彼自身は中学で発症。両親・学校共に、腫れ物に触るような扱いで居心地悪く感じていた様子。」
「伊奈葉ヒミコ。大家族の長女ですね。片親の貧しい環境で、家事や弟たちの世話に明け暮れる毎日。無意識下で自分だけの時間を欲していました。」
「忍霧ザクロ……は、唯一自らこちらへのアクセスを望んだ者ですね。実妹が11番街に参加しております。それを追ってきたのかと。」
「九瓏A。生後直ぐに両親が離婚。双子の兄共々養育拒否を受けた為に母方の伯父が育てていましたが……『事故』により伯父は失踪。兄は9番街に参加しております。家族を失った孤独に耐えかねておりました。」
「九瓏………？9番街に兄、と言うと……ああ、あの子供か。伯父の方は研究員だったが、まだ行方をくらませたままか。」
「そのうち見つかるだろう。それに11番街！白の部屋から脱走者が出た回だな。結局あれは見つかったのか？」
「いえ……この島は広いですから。しかし周りは1面の海……自力で帰ることはまずできません。」
「もう死んでいるだろう。次。」
話が脱線しかけたが、猫の一言で修正される。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 217人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ユキヨル(プロフ) - 厘さん» ありがとうございます(*´-`)免疫かき集めて更新していきます！ (2019年8月30日 20時) (
レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - お身体に気を付けて、更新頑張ってくださいね！ (2019年8月30日 14時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - 続編おめでとうございます〜！逢河くんの小説少ないので本当に嬉しいです！チートや鈍感過ぎるとかそういう夢主じゃないのが特にいいですし、ちゃんと考えて書かれているなとよく思います！時々逢河くんが怒ったりしてるのもすごく良くて… (2019年8月30日 14時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ユキヨル | 作成日時：2019年8月29日 21時
