攫われるのは ページ14
いやボンッキュッボンじゃないなんて当たり前だろう。逢河さんも入出さんも男性なのだから。
「入出は実際アレ……。脱いだらその………えと………アレですよ………。」
「どれだよ無理すんな……！！」
謎のキメ顔でそう言った入出さんに、隣に居た駆堂さんが焦りつつ小声で突っ込む。女性でない事がばれたなら、2人に危害を加えられるかもしれない。心配する気持ちはよくわかる。
「御託はよい。女を出せ。」
鬼の手に力が籠り、入出さんが握りつぶされそうになる。逢河さんも苦しそうだ。
その時、駆堂さんが鉄パイプを投げた。
飛んで行ったそれは鬼の後頭部に直撃するものの、微塵もダメージは与えられていないように見える。
「テメーいい加減にしやがれ！！」
怒った駆堂さんの声を無視して、鬼が誰かに話しかけた。
「……そこにおったか。どれにするんじゃ？キッカよ。」
その言葉を聞き終わらないうちに腕を強く引かれてバランスを崩す。首元に感じる冷たい刃物の気配……あぁ、やられた。
「これ！この2つが良いわおじいちゃん。1番柔らかそうなのと、1番綺麗なの！」
横目で見れば、更屋敷さんも腕を捕まれている。せめて彼女だけでも助けられないものか……。
「おじい……こいつあのヒゲジジイか……！？つか推理女の考え当たってたのかよ……！！！」
「よしよし。じゃあその2つにしよう。」
「あの、更屋敷さんだけでも見逃して頂けませんか？お願いします。私はどうなっても良いので、せめて彼女だけでも。」
「嫌よ。あんた達2つは最所から狙ってたんだから。」
そう言い放ったキッカさんを撫で回した後、キハチさんは逢河さんと入出さんを離してキッカさんを手に乗せる。彼女に刃物を突きつけられた私達もそれに従って手のひらに乗せられた。
「ねぇ〜、やっぱり2匹しかダメ？本当はあのちっこいのも欲しいわ。」
「地下牢はもう一杯じゃろ。もうひとつ増やすならひとつ処分してからにしなさい。」
「……ちぇ。はぁい……。」
私達3人を手に乗せたキハチさんが立ち上がる。……このまま攫われる訳か。
「あの！俺もお供して良いですか？」
そんな私達の背後から入出さんの声がした。
それは、危険過ぎる。
止めようと振り返ると、入出さんとその隣に居る逢河さんと目が合った。
……心配して止めてくれたのに、結局こうなって申し訳ないな。
「だめよ。1つ処分しなきゃいけないもの。あんたは要らない。」
お供希望をした入出さんが、言葉を続けた。
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ユキヨル(プロフ) - 厘さん» ありがとうございます(*´-`)免疫かき集めて更新していきます！ (2019年8月30日 20時) (
レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - お身体に気を付けて、更新頑張ってくださいね！ (2019年8月30日 14時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - 続編おめでとうございます〜！逢河くんの小説少ないので本当に嬉しいです！チートや鈍感過ぎるとかそういう夢主じゃないのが特にいいですし、ちゃんと考えて書かれているなとよく思います！時々逢河くんが怒ったりしてるのもすごく良くて… (2019年8月30日 14時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキヨル | 作成日時：2019年8月29日 21時
