生け贄は ページ11
「あの……火傷するので、サラシとか巻いた方が……。」
伊奈葉さんが控えめに声を上げる。
「やんねーよ！！的確なアドバイスいらねーよ！！」
「待て、駆堂は顔が邪悪だ。かえって鬼を刺激するのでは………。」
「表出ろやコルアァァ！！つーかテメーが生け贄やれや。」
真面目な顔で呟いた忍霧さんに駆堂さんが食って掛かり、そして生け贄役候補が忍霧さんに被弾した。
「イイネ！ザッ君なら女装もきっと似合……」
「俺は女装だけはしない。」
「でも似合…………」
「しない。それでも強要するなら俺はここで舌を噛み切る。」
路々森さんが賛成するが、忍霧さんは頑なに拒否する。その目は本気だった。
「お……おぉ……。」
「こんな頑なな忍霧さん初めて見ました。」
「じゃあカイさん……ボクらの為に一肌脱いでくれ……。」
「嫌でぇ。大隊そこの嬢ちゃんの身代わりだろ？タッパが違いすぎるじゃねェか。」
「一晩中ぶら下がってたら何か伸びましたって言えば良いだろ。」
次に候補にされた鬼ヶ崎さんが、駆堂さんの謎の意見に引き気味で答える。
「嫌でぇ……。タッパで言うなら路々さんか……更屋敷の嬢ちゃんは嫌がってたな。多少背が高ェが、九瓏の嬢ちゃんはどうでぇ？」
「流石にボクもやだにゃ〜……。くーろんは？」
まさかの私にも候補意見が向けられた。
顔もスタイルも更屋敷さんや路々森さんには及ばないし、伊奈葉さんの方が可愛らしいのになぁ。あ、だからこそ私なのかな？
「鬼がそれで納得してくれるなら別に構いませんが……。鬼の理想体型とは言い難いですよ？」
鬼の根城も気になるし。
「そんなこと無いさ！お風呂の時思ったが、くーろんは着痩せするタイプで実際はカリリンくらいあるし、綺麗だからきっと鬼も気に入るぜ！頼んだ！」
………誉めすぎでは？
「それは言い過ぎなのでは……まぁ、はい。了解しまし───」
「………だめ。」
まぁ、嫌がる理由もないしなぁ。と了承しようとしたところ、意外なところから制止の声が聞こえた。
「え、逢河さん？」
うとうとしていた筈の逢河さんだ。
「……Aちゃん、……すぐ、無茶するから……。」
「反対意見が出たぜくーろん。」
「だ、大丈夫ですよ逢河さん。多分なんとかなりますから！」
じゃなきゃ他の女性陣が生け贄にされてしまう。
「……だめ。」
「マキマキがここまで言うなんて珍しいにゃ、じゃあ他の人にする、と言っても……どうするんだい？」
誰がやるんだ結局。
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ユキヨル(プロフ) - 厘さん» ありがとうございます(*´-`)免疫かき集めて更新していきます！ (2019年8月30日 20時) (
レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - お身体に気を付けて、更新頑張ってくださいね！ (2019年8月30日 14時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
厘 - 続編おめでとうございます〜！逢河くんの小説少ないので本当に嬉しいです！チートや鈍感過ぎるとかそういう夢主じゃないのが特にいいですし、ちゃんと考えて書かれているなとよく思います！時々逢河くんが怒ったりしてるのもすごく良くて… (2019年8月30日 14時) (レス) id: 4d8a897ec9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキヨル | 作成日時：2019年8月29日 21時
