駆堂さん ページ20
兄がゲーム進行役の中に、敵側に居るかもしれない。そんな予想外の事に混乱していたが、駆堂さんが担ぎ込まれて来た事でそれも頭から吹っ飛んだ
「えっ駆堂さん！？何があったんですか！？」
「どうしたのよそいつ。」
「分かりません。突然倒れて………。」
「あっきーも頭から血が出てるぜ。治療しようか。」
意識のない駆堂さんを背負ってやって来た入出さんも、頭から血を流している。
……本当に、何があったの？
「……うん、寝てるな。電池切れ。爆睡中だ。アン坊ここ数日まともに寝てなかったようだからね。暫くなにしても起きないぜ。」
入出さんの手当てを終え、横たわった駆堂さんを診た路々森さんがそう言いながら彼の額に林檎を積み上げ始めた。
「は……傍迷惑な奴だ……。」
「よかったです……。アンヤ君、昨日薬がどうとか言ってたので………。」
呆れ顔の忍霧さんにホッとした顔の入出さん、無言で傍に居た伊奈葉さんもホッとした様子だ。
「薬……。睡眠薬の事かな？彼いつも持ち歩いていたし。まぁ後は本人から聞くといい。」
………いつも、持ち歩いていた？
路々森さんはそれをいつ知ったの？
私達には隠していたのだろう駆堂さんはそんな振る舞いを見せなかった。偶然見たのか？
「それより今注目すべきはそのカリンちゃん擬きだ。恐らくそれがミミクリー・マンイーターだろう。」
入出さんが手当てされている間に話してくれた偽物の更屋敷さんの話。
「クリア条件は『殲滅』ですし、あれ1体だけじゃないと思います。」
「うぇ……。」
私が見た兄(仮)と同じなのだろうか。
「具体的にはどんな奴だったんだ？」
「どんな……、見た目はまんまカリンさんです。」
忍霧さんの質問に入出さんが答える。
「ただ、この世のものとは思えない笑顔で近付いて来て……。」
「……ねぇ、ムカつくんだけど。」
隣に居た更屋敷さんが苛立ったように口を開いた。
「激しく強く、抱き締められました……。トラウマレベルです………。」
「ムカつくんだけど！！！」
見た目はまんま、か…………。
私が見たものが兄の模倣体だとするなら、今彼はあんな容姿なのだろう。はっきり見えた訳じゃないけど。
「更屋敷さんとっても可愛らしい方じゃないですか。……あ、そんな彼女の見た目を装って化け物が近付いて来たと考えたら確かにトラウマですね。」
「く、九瓏さん……。」
「？」
頬を染めた更屋敷さんがこちらを見る。
………照れられる要素あった？
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ユキヨル(プロフ) - 新埜さん» ご指摘ありがとうございます！！非公開になってるのに気がつきませんでした……公開にしておきます！！ (2019年8月26日 18時) (
レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
新埜(プロフ) - ユキヨルさんのお話、文才が凄くて面白いです！！あとすいません、おそらくですが、鮮血湯煙事件のとこ、1話目が非公開になっていると思いますよ!! (2019年8月26日 17時) (レス) id: a85fd0d46b (このIDを非表示/違反報告)
ユキヨル(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます(*´ω｀*)体調気を付けますね！ (2019年8月24日 18時) (レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
林檎(プロフ) - 更新頑張りながら体調にも気をつけてきださいね！ (2019年8月20日 10時) (レス) id: eadb533606 (このIDを非表示/違反報告)
ユキヨル(プロフ) - Sayakaさん» なるべく毎日更新出切るように頑張りますo(･ω･o) (2019年8月20日 10時) (レス) id: b49c625d58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユキヨル | 作成日時：2019年8月19日 14時
